【愚痴(1)】
「愚痴」とは仏教の言葉ですが、
今日の日本でも、普段よく使われる言葉です。
「あいつ、また愚痴ってる」とか
「あんたの言うこと愚痴ばかりじゃない」というように、
しゃべることとして使っていますが、
元来の意味は、「うらみ」「ねたみ」の心のことです。
幸せな人を見ると面白くない、なんとなく不愉快になる心です。
仏教に説かれる108の煩悩の中でも
特に私たちを苦しめ、悩ませるのが「愚痴」の心だと
説かれています。
私たちはこの愚痴により、人とぶつかり、傷つき、苦しんでいます。
兄弟が仲違いするのも、その原因の多くは「ねたみ」です。
親は兄ばかりかわいがって、妹ばかりかわいがって、と
嫉妬で兄弟仲が悪くなり、
大人になってからもその思いを引きづる人も少なくありません。
会社の人間関係のいざこざも、
愚痴が端を発していることが多いようです。
「上司はあいつばかり引き立てやがって」
「なんで向こうの方が評価されるんだ」と
もやもやしている思いがあるのですが、
それをそのまま言うと醜いので、
もっともらしい理由を言い並べているだけです。
「あのやり方では長期的に見れば成功しない」とか
「こんなことではこれからの会社が心配だ」とか言いますが、
これら実は全部、後講釈です。
そう言わせている本当の原因は「ねたみ」です。
言っている本人自身が、自分の意見の根っ子に
「ねたみ」があると認めていないことが多いのですが、
よくよく心を見つめてみると分かります。
心の底に醜いものが見え隠れしています。
会社の派閥、クラスでの不仲、兄弟同士のケンカなど、
人間関係のいざこざの多くは、
ねたみやそねみが原因になっているようです。
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