親鸞に学ぶ幸福論

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仏法の『法』とはどんな意味か

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【法(1)】


仏教では三世十方を貫く真理のことを『法』といいます。

『三世』とは過去世、現在世、未来世のことで

「いつでも」ということです。

『十方』とは東西南北上下四惟のことで

「どこでも」ということです。

いつでもどこでも変わらない真理、

古今東西を通じて普遍の真理を『法』といいます。

 

『法』と名が付くものに、憲法、法律、交通法規などがありますが、

私情や気分で変えてはならない、一つのものさしとなるものに

「法」という字が使われているのがわかられると思います。

交通法規で信号機の赤青黄色の意味が毎日コロコロ変わったら大事故が頻発しますし、

法律でも、明日から年金支給は止めますとなったら社会は大混乱ですから、

そうそう変えてはならないものです。

 

とはいえこれら憲法、法律、交通法規は三世十方を貫くものではありません。

スマホしながらの「ながら運転」は12月より罰金三倍、一発で免停、

それで事故を起こした時は場合によっては懲役刑、とかなり罰則がひどくなります。

携帯電話は当初発売されたときは自動車電話といういう名前でした。

車中からでも、運転していても電話ができるというのがセールスポイントだったのです。

それが今や運転時の携帯電話使用は罰金です。

 

憲法だって時代に合わなくなれば、国民投票で変える必要も出てきます。

その時代に合った、その国の事情、環境に合った憲法や法律があるのは当然で、

いつでもどこでも変わらない憲法や法律などあるはずがないです。

 

仏教の「法」は、そのように変わるものではなく、

いつの時代でも、世の中がどれだけ激変しても、もう変わらない普遍的な真理を指します。

その「法」を教えられたのが仏教ですから、仏教のことを「仏法」「教法」ともいいます。

 

快楽のかげにも無常の響きがこもっている

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【快楽(1)】


コカインなどの違法薬物は、

理性を司る大脳皮質よりももっと脳の真ん中にある中枢に強烈な快感をドカンとすり込むそうで、

理性でやめようと思っても、やめられる代物ではないようです。

一瞬にして多幸感、爽快感が心身共にぱーっと広がり、

一気に不安は除去され「人生最高!!」となります。

しかしその快感は薬の効き目がなくなるとすぐに消えてしまい、

その後は長い倦怠感、イライラや不安が続き、

さらに薬物の快感を渇望するようになります。

 

薬物依存の恐ろしさはラットの実験でよく知られます。

ラットの脳に電極をつけ、ペダルを押すだけで興奮の感覚が生み出せるようにし、

美味しい食べ物をもらうかペダルを押すか、ラットたちに選択肢を与えると

ラットはひたすらペダルを押し続け、とうとう空腹と疲労で倒れてしまうというのです。

 

田代まさしが、覚醒剤依存症の恐ろしさを訴える講演で

「覚醒剤があれば何でもできる気持ちになった。やがて覚醒剤がないと何もできないようになった」

と実体験を語りましたが、

彼にとって「何もできないようになった」と語ったそれは、

決して過去形で語れるものではなく、

今なお「何もできない」自己に苦しむあまり、またも手を出してしまうものだったようです。

 

依存は薬物だけではなく、

アイスクリームやコーラなどの糖分、パチンコや競馬などのギャンブル、中毒性の高いゲームなども、

強烈な依存性があると指摘されています。

これらの快感は経験するとその一瞬の感激が忘れられず、

パチンコやゲーム機や炭酸ジュースのない生活の不快感は耐えがたく、

他の何をやっていてもつまらなくイライラして、もうそれなしの生活は考えられなくなります。

 

このように快感依存の実態を知らされると、

人間にとって幸福とは何なのか、わからなくなってきます。

至福の瞬間、胸躍る感覚、といっても、それを多く経験すればするほど、

不快感の耐性が下がり、快感への渇望が募っていくならば、

それは幸福と呼べるものではなかったことになります。

幸福は快感とは違うのか。

違うのならどう違うのか。

快感の追求は実は苦しみの元に他ならないなら、

いったい幸福とは何なのか、

考えさせられます。

 

その昔、シッダルタ太子(のちのお釈迦さま)は

出家を止めようと説得しにきた5人の家臣に厳然とこう言い放たれました。

ーーーーーーーーーーー

お前たちにはわからないのか、あの激しい無常の嵐がまだわからないのか。

ものはみな常住しないのだ。

いずれの日にか衰え、いずれの日にか亡ぶのだ。

快楽のかげにも無常の響きがこもっているのだ。

美女の奏ずる絃歌は欲をもって人を惑わすのみだ。

三界は悩みのみ。猛き火の如く、浮かべる雲の如く、幻や水泡の如し。

若きを愛すれど、やがて老いと病と死のために壊れ去るのだ

ーーーーーーーーーーー

太子の火の玉のような求道心に心打たれた家臣たちは、

ともに太子のそばで修行に打ち込むようになった、と伝えられてます。

シッダルタ太子の言われた「快楽のかげにも無常の響きがこもっている」の言葉が重く響きます。

やがて消え去る快感や快楽は幸福とはいえない、

無常の嵐を前にしても微動だにもしない安心満足こそ目指すべき真の幸福ではないか、

と城を出て入山学道されたのがシッダルタ太子でした。

 

 

説得とは、得を説く、と読む。決して押しつけてはならない

 

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【自利利他(1)】


先日報道されていたことです。

あるコンビニのオーナーが、元日は営業しないという意思を本社に伝えました。

アルバイトが集まらず、客も少なく、とても自分の身体が持たないからというのが理由でした。

本社は、それは契約に反する、とさっそく社員に「オーナーを説得してこい」と命じました。

ところがオーナーは頑なで、説得に応じないとのこと。

最近よく話題になるコンビニ長時間労働問題です。

 

さてこの報道でも出てきた「説得」という言葉、あまりいい響きがありません。

「説得する」立場でも疲れるし、嫌われるし、

「説得される」立場ならおもしろくないし、憂鬱になるし、で、

できれば説得するのもごめんだし、説得されたくもない。

そう思ってしまうのは、「説得」と聞くと、

相手をこちらの意図通りに動かせるためにあれこれ話をする、

というニュアンスがあるからでしょう。

 

本来「説得」とは、字の意味からいうと「得を説く」、

“相手が得をすることを私が説く”ということです。

誰だって得する話なら聞いて悪い気になる人はありませんし、

行動しようという気になります。

ところが“私が得することを相手に説く”ことに躍起になって

それが説得だと思っている人が多く、

それではどんなに言葉巧みに流ちょうに話をしていても、

相手の気持ちは動きません。

嫌な感じを与えるだけです。

たとえその時は相手を動かすことができても、

禍根を残したり、裏切られた思いにさせてしまいます。

 

商売でも、ついつい

「どうやったら相手の財布のひもが緩むか」

「相手にどうやってこちらの商品を認めさせるか」

ばかりに頭がいっぱいになりますが、

それは客のお金や時間や気持ちをこちらに引っ張り込もうとすることなので、

客からしたらおもしろくなく、結局上手くいきません。

 

相手が動くのは「相手の得を説いて、それをわかってもらえた時」です。

相手の得を少しも考えることができない人に、人は集いません。必ず離れていきます。

逆に相手の得を説き続ける人には、たとえ口下手でも不器用でも、必ず人が集まり、

十年後はその人の周りに人垣ができています。

利他の精神(相手を思いやる気持ち)が、古今東西変わらぬ成功の秘訣なのです。

 

 

本年もよろしくお願いいたします


迎春


昨年中はメルマガ、読者の方々から、

数々の励まし、感想、叱咤のメール、まことにありがとうございました。

2010年1月から「まぐまぐ!」のメルマガを書き始めたのが最初なので、

これで10年になります。

「10年、偉大なり。20年、恐るべし。30年、歴史になる」との中国の格言があります。

もちろん10年といっても、私の文章など、

もともと文才などないところに、

やっつけ仕事で書いてしまうことも多く、

偉大とはとても言える代物では到底ありませんが、

それでも続けることだけは続けてきて、

最初は8人から始めたのが、現在は7000人近くの人に配信するまでになりました。

 

なぜ10年間続けられたかといえば、

それは間違いなく読者の方のおかげです。

読みたいと待ち望んでくださる方、

人生が変わったとまで言ってくださる方、

他の仕事で滞りがちになるときも「どうしたのでしょうか」とメールがあり、

家族に転送されている方、

ノートに書き写しておられる方、

お布施です、と送金してくださる方もあり、

それらの方々の励ましのおかげだと深く感謝しております。

 

「袖振り合うも多生の縁」といわれます。

こうして何年にもわたってメルマガを読んでくださっている方は、

袖振り合う以上の関係だと思いますので、

多生(無限に繰り返す生死)で私とのご縁のある方だと思っています。

 

しかしそれ以上にこういう内容をずっと読まれる方は仏縁のある方なのです。

仏縁とは仏とのご縁、過去世から仏教を聞いてこられた方だからこそ、

「聞きたい」「読もうかな」と思われるのですから。

ここで書いている内容は、言葉こそあまり仏教の言葉は出してはいませんが、

親鸞聖人の教えを知ってもらいたい、という思いで配信しており、内容は仏教です。

もうけ話でもなく、健康講座でもなく、就活、婚活に役立つ情報ではありません。

むしろ老いや病や死、煩悩や孤独など、私たちが目を背きたい部分をテーマに書いているのですから、

たのまれたって聞きたくないという人もある話です。

それを読み続けられる方は、過去世から仏教とご縁を育んでおられたからこそ、

と拝さずにおれません。

 

メルマガ、ブログを通して毎年多くの方とご縁ができ、

今も日本中はおろか世界中に読者があり、

それらの方のご質問にパソコン上でお答えし、

もっとくわしく知りたいと言われる方とは一週間で一回45分での個人説法を続けており、

これは私のライフワークとなりつつあります。

それもこれも、一切はこのメルマガ、ブログを読まれる読者の方々に支えられてのことであることを

この10年という節目に改めて知らされます。

心から感謝申し上げます。

本当にありがとうございます。

 

2020年、令和2年も始まりました。

私の周りでも無常の嵐が吹きすさび、まだ30代、40代の友人も昨年亡くなっています。

私だってあとどれだけ生きておれるかわかりません。

残された命、親鸞聖人の教えを伝えることにかけるので、

今年も書き続け、説き続けます。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

元旦

懈怠になりがちな年末年始に自戒を込めて

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【懈怠(1)】

 


仏教で教えられる6つの善い行い、『六度万行』(『六波羅密(ろくはらみつ)』ともいう)の一つに『精進』があります。

人が見ていようが見ていまいが裏表なく、コツコツと継続して努力することです。

『精進』の反対を仏教では『懈怠(けたい)』といいます。

怠けること、楽したくて、やるべきことをやらないこと。

掃除をしない、サボる、寝坊する、などの自堕落な生活は『懈怠』にあたります。

「楽して得られるものは貧と恥のみ」

懈怠な生活の果ては身の破滅あるのみです。

 

懈怠になるときには、自分に口実を与えるものです。

特にこの時期、怠惰に流れる口実に「年末年始くらい」というのがあります。

私も数年前までは「年末年始だし」と、ふだんとは違うものを食べたり、したりとしましたが、

最近はしなくなりました。

日常に戻る仕事始めが億劫になるのも嫌なので、

いつもの時間帯に寝起きし、

やるべきことも平常モードでするように努めています。

 

実際に年末年始の方が時間が取れて仏教の話が聞きたいという方も多くおられ、

ネットでの個別の話の予定が埋まっています。

そういう方に背中を押されてそのようにしている面も大きいですが、

つい懈怠になりがちの年末年始でも、

自分の本分を果たす仕事ができるのも有り難いことです。

何しろ楽したい気持ちでいっぱいで、

地道にコツコツと努力するのを避けるのが自分なので、

すぐ「今日は○○だから、今日くらいはゆっくりしよう」という言い訳が自分の中に出てきます。

 

そんな心が出てきたときに思い出す歌があって、

私がまだ小学生だったときに流行した歌です。

同世代の方ならご存じだと思うのですが、

「今月は正月で酒が飲めるぞ、酒が飲める飲めるぞ、酒が飲めるぞ」

という歌。

「今月は○○で酒が飲めるぞ」の「○○」部分だけ変えて繰り返しのフレーズで、年がら年中酒を飲むという歌です。

メロディは「ビビディバビデブ(正式曲名知らない)」でした。

2月は豆まきで・・・
3月はひな祭りで・・・
4月は花見で・・・
5月はこどもの日で・・・

と何かと理由をつけて、このときばかりは飲むぞ、と言っては

結局いつも酒を飲んでしまうという歌です。

 

これと同じで、何かと理由をつけては怠惰に流れていくのが自分だから、

「○○だから」という言い訳をなしにし、

逆に皆が楽しているときだから手を抜かない、と天邪鬼的な発想でいきたいと思います。

 

 

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禍福はあざなえる縄の如し、逆境は続かない

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【逆境(1)】


勤めていた会社の経営が傾き、リストラの憂き目に遭った30代の技術職の男性。

なんてオレは不運なんだ、といったんは我が身の境遇を恨んだものの、

まもなく彼の技術力を高く買ってくれる外資系のベンチャー企業があり、

そこで重要なポジションを任され、かつてないほどの充実を仕事から得ることとなりました。

こうなれば昔リストラにあったことは、彼にとって貧乏くじだったとは言えなくなります。

 

5年間付き合った男性から別れを告げられ、

一時は失恋の苦しみから7キロもやせてしまった女性。

しかし最近になって同じ職場の男性とお付き合いし、このたびプロポーズされ、

今では「あのときに失恋していなければ今の彼と出会えなかった」と

つくづく当時の失恋という出来事に感謝しています。

 

「禍福はあざなえる縄の如し」とはよく言ったもので、

良かれと思ってやったことが思わぬ災いを招いたり、

災い転じて福となしたり、と人生は分からないものです。

 

私自身を振り返ってみてもそれは言えます。

今までの人生で最もやりがいある仕事の話があったのは、

大きな挫折を味わっているまさにその真っ只中でした。

 

人生にずっと逆境ということはありません。

この不幸はいつまで続くんだろう、と暗澹たる気持ちになることはありますが、

そんなものは続きません。諸行無常の世の中ですから。

しばらくの間です。

『寒風や 凌いで香る 梅の花』

最も寒いときが「迎春」、春の始まりなのです。

 

 

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所有物自慢は見苦しいので気をつけたい

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【慢(1)】


人をほめるのは良いことですが、

その人が自分に近い人だった場合、

ともすると自慢話になって人を不快にさせることもあるので、一定の注意が必要です。

たとえば「すごい知人」「すごい家族」「すごい配偶者」を語る時は気をつけましょう。

「自分の所有物」自慢と受け取られてしまっていることは結構ありますので。

 

私は過去にある女性が

「夫は、普通の人はこんなことできないなということもサラリとこなす人で、自分はコンプレックスを感じている」

と言われるのを聞き、最初こそ

ご主人のことが好きなんだな、コンプレックスを感じているのか

と額面通り聞いていましたが、

事ある毎にその話を繰り返すので、ああこれは自慢なんだ、と途中で理解したことがあります。

 

私の知人の男性も、会社の同僚の奥さんから

「あなたより私の夫の方が優秀である」との趣旨のメールをもらったことがあるそうで、

「それは知っているけども、あなたが言うか」と苦笑した経験があるそうです。

 

ある女子大生から聞いた話も、おもしろくてつい笑ってしまったのですが、

それはその彼女が何人かと学食でご飯食べていた時のこと。

クラスメイトの男子の一人が

「あそこでポテト食べてる奴、いるでしょ。

あれ、同じ研究室なんだけど、あいつの先輩が高校時代、香川真司と一緒のサッカーチームだったんだって。

すごくね?」

と言ってきたそうです。

その女の子は「へえ」と言ったものの心の中では

「“香川真司”がどれほどすごいかわからないし、

香川がすごかったとしても、お前は“香川真司”じゃないし、

香川真司と一緒にサッカーしていた“先輩”でもないし、

その後輩である“あいつ”でもないじゃないか!(怒)」

とイラッときた、とのことでした。

 

「オレの知り合いのクラスメイトに○○の弟がいて~」

というのはよく言ってしまうと思うのですが、

こんなのも自慢話と取られ、かんに障る人もあるようです。

なかなか難しいものです。

 

 

 

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