親鸞に学ぶ幸福論

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火宅無常の世界、胡蝶の夢とはどんな意味か

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【火宅無常の世界(1)】


「彼はとても波乱万丈な生き方をしてきたが、やっと幸せを手にしたかと思ったら旅立ってしまった。人生とは胡蝶の夢のようだ」

「あのビジネスはあいつの一言で胡蝶の夢と化したよ」

などと使われる「胡蝶の夢」という言葉、中国の思想家・荘子に由来します。

「胡蝶」とは蝶々のこと。

荘子(荘周)が自分の見た夢をこう書き残しています。

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以前、わたしは蝶になった夢を見た。

花から花へ喜々として、心ゆくばかりにひらひらと舞っていた。

荘周である自分は全く頭になかった。

はっと目が覚めると、これはどうしたことか、荘周ではないか。

荘子はあまりにリアルな夢に、

「荘周である私が夢の中で蝶となったのか」

「いや自分は実は蝶であって、いま夢を見て荘周となっているのでなかろうか」

いずれが本当か私なのか、私にはわからない、

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人は思いがけない不幸にぶつかり、

今までの明かりが一気に消えてしまう事態に陥ると、

「これは本当のことだろうか」

「夢ではなかろうか」

と現実が受け入れられず、

自分の足で立っていないような、

まるで異世界の映像を見せられているような感覚になります。

端から見たらその人は、魂が抜かれたような、茫然自失とした様子に見えるでしょう。

 

こちらの手記は東日本大震災で被災したこちらの40代の女性のものですが、

やはり「胡蝶の夢」を想起させられました。

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「夫と子供が行方不明になっていて、どこかの避難所にいるんだと信じてます」

「夫と子供の心配で心も落ち着かないし、余震も多くて、寝付けない日々が続いています」

「疲れると、浅い眠りの中で夢を見ます。

3日前まで住んでいた家で、家族一緒にご飯食べたり、テレビ見ている夢です。

余震で夢が覚めると、避難所。

“夫と子供はここにはいないんだ。もうあの家も無いんだ。”

と現実が見せ付けられて、心が真っ暗になります」

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いつ何時、胡蝶の夢と化すかもしれぬ人の世を

歎異抄には『火宅無常の世界』と説かれています。

火宅とは火のついた家。

隣家が火事になり、自分の家のひさしに火が燃え移った、

それなのに家でのんびりテレビ見たり、

ご飯食べたりしている、そんな人はありえません。

不安でオロオロして、それどころではないでしょう。

ちょうどそんな火宅のように

今ある幸せも一瞬にして消え去ってしまう人生には、

常に不安の影が覆っているので、

『火宅無常の世界』と親鸞聖人はいわれているのです。

 

 

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