親鸞に学ぶ幸福論

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介護の言葉遣いの指導研修で敬語を教えられるのはなぜか

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【布施(1)】

 

最近の介護老人ホームの多くは、新規職員の指導研修で、

入所者に敬語を使い、相手の意思を尊重して接するよう、教えるそうです。

 

わがままな言動や妄想、奇行が目立ってきた、子供返りの入所者に

職員はつい「○○さん、おちっこ行きましょね~」と、

子供をあやすような言葉遣いをしてしまいがちなのですが、

そんな赤ちゃん言葉に過敏に反応し、腹を立てる高齢者は

ことのほか多いのだそうです。

 

なんとなく分かる気がします。

今でこそホームに入所して他人の介護を受けなければ、

食べることも歩くこともままならず、

おしめを交換してもらったりしていますが、

かつては会社や家庭を支えた大黒柱の人たちです。

プライドもあります。

それが今や人に頼られることもなく無視され、

逆に人に頼らなければ何もできないのですから、

自分が情けなく、悔しいでしょうし、

心身の衰えへの喪失感、焦燥感に日々苛まれています。

そこにきて子供をあやすような扱いをされると、

馬鹿にされ、軽んじられていると思い込み、我慢ならなくなるのでしょう。

 

嫁姑問題でも同様のケースは結構あるのではないかと思います。

だんだん老いていき、容姿も衰え、頭の回転も鈍り、体も自由がきかなくなり、あちこち病気になる姑からすると、

若い嫁に劣等感を感じる場面も多々あるでしょうし、うらやましくもなるでしょう。

嫁の発言力が強くなり、だんだん自分の発言は軽んじられ、

力関係が逆転していくことにも鬱屈した思いがこみ上げ、

嫁へのイライラになって露呈するのかもしれません。

 

私も高校時代、部活の後輩になんともいえない思いを抱えた経験があります。

テニス部だったのですが、新入生が入部してくると、

素振りから足の運び方、さまざまな技術、戦術など、先輩としていろいろ教えます。

最初は後輩が「先輩、教えてください」と慕ってくるのがうれしく、かわいく思うのですが、

半年、一年経つうちに後輩の中に、自分よりも上手い人が出てきます。

そしていつしかその後輩の、自分に対しての言葉遣いが変わってきて、

挨拶や返事もぞんざいになり、

「軽んじられてるな」「俺、なめられてるな」と嫌な思いをするようになりました。

なにしろその後輩の態度、言い方がいちいちかんに障るのです。

 

それも今から思うと、自分の錯覚だったのかなと思います。

後輩に抜かされたという劣等感、屈辱感から、

彼の言動をそう思い込んでしまったのだと今は冷静に分析できますが、

当時は「嫌な奴」とその後輩にレッテル貼ってしまっていました。

 

たかだか高校の部活くらいでも、「先輩に対して何だ、その態度は」といらつくのですから、

まして人生の先輩である高齢者と接する時はよくよく気をつけなければ、

知らず知らずのうちに傷つけ、腹を立てさせてしまっているのだと反省します。

自分以上に人生の幾山河を越え、生き抜いてきた大の大人なのですから、

決して上から目線の、軽んずるようなことがあってはならないと自戒していきます。

 

 

 

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