親鸞に学ぶ幸福論

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業界(ぎょうかい)の常識と業界(ごうかい)の孤独

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【業界(1)】


一般的に「業界(ぎょうかい)」といえば、

芸能界や音楽業界などを指し、

「業界人」「業界の人」といえば、

ミュージシャン、俳優、タレントから彼らのマネージャーや事務所の職員などを指します。

もっと広い意味で言えば、芸能界だけでなく、

出版業界、飲食業界、保険業界、建設業界など、

それぞれの産業、職種に独自の「業界」があります。

その業界ならではの言葉遣いを「業界用語」と言い、

不動産業界なら「あてぶつ」「げんちょう」、

芸能界なら「カメリハ」「トップ屋」など、

その業界では部外者には分からない用語が当たり前のように使われています。

 

また言葉以上にその業界ならではのしきたり、文化などがあり、

「この業界でそういう真似をしたら生きていけないぞ」

「それは業界の常識だ」

など、それぞれの業界に、その業界独自の常識やタブーがあります。

 

どの業界でも初めて足を踏み入れた人は、飛び交っている会話からしてわかりません。

私も最近医療関係者の講座で仏教の話をする機会がありますが、

最初は「MRの人にペイシェントのオペ状況を~」など何のことかまったく分からず、

少なからぬストレスと疎外感を感じたものです。

 

実は仏教にも「業界」という言葉があります。

読み方が違って「業界(ぎょうかい)」と読まずに、

仏教では「業界(ごうかい)」と読みます。

「業(ごう)」とは中国の言葉です。

お釈迦様はインドの方ですから、インドの言葉では「カルマ」というのですが、

仏教が中国に伝来し、「業(ごう)」と訳されました。

日本の言葉では「行為」のことですから、

「業(ごう)」=「カルマ」=「行為」となります。

 

私たちは一人一人、みな違う業(ごう)を持っています。

「業が違う」とは、わかりやすく言うと、

今まで体験してきたことがみな違うということです。

受けてきた教育も、親によって変わりますし、

時代が違えば価値観も変わり、

生まれ育った国によって宗教や文化、習慣も違ったものとなり、

職種、性別、美醜、才能などが違えば、またそれぞれ受ける経験は異なってきます。

これはつまり、今まで「見聞きしたもの」「話したこと」そして何より「考えてきたこと」が、みな違う、ということであり、

これを「業(ごう)が違う」というのです。

 

そういう点から言えば、

先ほど今日の一般用語である「業界(ぎょうかい)」と、

仏教の「業界(ごうかい)」は、

意味は似通っているともいえます。

「業界(ぎょうかい)」は、先述の通り、

特定の職種によって、言葉や習慣、価値観などが異なる世界のことを指しますが、

仏教の「業界(ごうかい)」は、職種だけでなく、

時代、国、民族、性別、容姿や才能などによって異なる「業(ごう)」が生み出した各人各様の世界です。

「業(行為)」が一人として同じではないから、

一緒に同じものを見ていても、同じには映らず、

その人を取り巻いている世界は違っています。

一緒の世界に住むことはかないません。

一人一人の顔も指紋も違いますが、それ以上に我々の内面でも、

それぞれ違う空間、時間が体験されているのです。

 

この「業界(ごうかい)」は、

一般的に言う「業界(ぎょうかい)」よりも、

ずっとずっと相手との溝が深く、

同じ屋根の下に住む夫といえども妻といえども、

血を分けた親でも子でも、

もう同じ世界ではありません。

「お前の世界、どんなの?」と相手の世界をのぞき見ることも許されません。

「わかってほしい」のにそれがかなわないのも、

本質的にはここに原因があります。

 

 

 

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