親鸞に学ぶ幸福論

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「勝利が国民を狂気にする」と司馬遼太郎が語る

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【慢(1)】


「勝って兜の緒を締めよ」とは昔から言われることわざですが、

勝つとどうしても出てくるのが慢心で、

これを抑えるのが至難だからこそ、

こういう戒めの言葉が受け継がれているのでしょうね。

 

大日本帝国の衰亡もその原因に慢心を挙げることができます。

日清、日露戦争の経過を学ぶと、

その勝利は薄氷を踏む際どいものであったことがわかります。

日本の細心な計画立案、用意周到な国家間の交渉などもさることながら、

清国、ロシアが自ら墓穴を掘るような失策を重ねたことが大きかったといえます。

日本軍にも数々の失策があったのですが、

勝ったからいいじゃないかと不問とされ、

なぜ勝てたのか、勝利の要因を分析することもなく、

両大国に勝利したことが「神国日本は負けない」と日本は慢心させます。

 

日露戦争後、日本軍は欧米に学ぶことを辞め、

皇軍の決めた範令を丸暗記することが軍幹部教育となります。

軍部は批判を嫌がり、評論そのものを封じ、

日本軍の精神力、技術、戦闘能力の賛美だけが喧伝されます。

批判から改革が起き、指摘から向上が始まるのは世の鉄則ですが、

日本軍は、自らそれを放棄したのです。

 

学校教育の場でも「大日本帝国は不敗の帝国」と教え込まれ、

歴史の授業も、神功皇后の三韓征伐の神話や元寇への大勝利が強調され

日本が惨敗した白村江の戦いは、教科書にその事実さえ載せられなくなります。

 

昭和になると、戦争の勝利が絶対化し、

和議を提案することなど非国民と断罪され、

やがて「一億総玉砕」が勇ましく声高に叫ばれ、

あの日本を焦土と化した太平洋戦争へと突入していくのです。

 

司馬遼太郎は日露戦争から太平洋戦争へと連なる日本の歩みを述べた上で、

「敗戦が国民に理性を与え、勝利が国民を狂気にするとすれば、

長い民族の歴史からみれば、戦争の勝敗などというものは、誠に不思議なものである」

と書き遺しています。

 

 

 

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