親鸞に学ぶ幸福論

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実践して初めて知る慈悲の限界(聖道の慈悲)

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【慈悲(1)】

 

『聖道の慈悲というは、ものを憐れみ愛しみ育むなり』
と歎異抄にあります。
「聖道の慈悲」とは、苦しむ人を憫れみ、悲しみ、育むことです。
つらい目に遭っている人を見て、かわいそうだと悲しくなり、
なんとか助けてあげられないかとやるせない気持ちになる、
その慈悲心が「聖道の慈悲」です。
飢餓や病気、借金、人間関係などの苦悩を除き、
金や物などを施す「人間の慈悲」のことです。


人間はお互い助け合い、励まし合い、生きているのですから、
この慈悲は忘れてはならない、大切な心だと仏教で説かれています。


だが同時にまた、かかる人間の慈悲では
本当に助け切ることができないと仏教で説かれており、
それを親鸞聖人は
『しかれども、思うがごとく助け遂ぐること、極めてありがたし』
(しかしながら、どんなに頑張っても、思うように満足に助けきることは、ほとんどありえない)
と説かれています。


日本のある女子大生の葛藤からも、人間の慈悲の難しさを知らされます。
その女子大生は、1年前に飢餓で苦しむアフリカの子供を助けたいと
夏休みを利用し、ボランティアに志願しました。
栄養失調で病気への抵抗力をなくし、死んでいく子供たちの姿にショックを受けた彼女は、
2ヶ月のボランティアを期間延長して1年間続けることにしました。
しかし毎日ボランティアに打ち込むうちに彼女は自分の行動に疑問を持つようになりました。
確かに食べ物を与えたり、伝染病のワクチンを打ったりすれば、
目の前の命を助けることはできる。
だが8億人を超える世界の飢餓人口は年々増えていて、
自分のやっていることなど焼け石に水ではないか、と思うようになったのです。
アフリカで飢餓人口が増えている最大の原因は「紛争」だと知った彼女は、
こうしてボランティアをして一人二人と助けるよりも
国連に入って国家間の紛争を対処した方が
本当の意味でアフリカの子供たちを助けることになるのではないかと考えるようになりました。
葛藤の末、ボランティアを途中で切り上げ、
日本に戻ってから国連メンバーのなるために猛勉強を始めたのです。


国連に入ってその中で活躍するには、
難関の資格試験を合格しなければならず、
優秀な知識、技術、語学力も要求されます。
その習得のため、塾に通うようになり、勉学の日々なのですが、
今はまた「本当にこれでいいのだろうか」と迷いがあるとのこと。
その迷いというのは、塾に通うお金、東京での生活費は毎月相当かかり、
一冊の参考書の値段だって、この一冊分のお金をアフリカの難民に回せば
どれだけ多くの人が飢餓で死ななくて済むか、
本当にこんなことやっていていいんだろうか、
これから勉強し、大学を卒業し、資格を取り、国連に就職するまでには
どれだけの長い年月がかかるか、
それまでの間 どれだけの人が飢餓で死んでいくだろう、
そう思うとこんな塾でこんな勉強なんかしてる場合だろうか、
という気持ちにもなってくる、とのこと。


さればと言ってボランティアの場に戻ったとしても、
自分の目の前の人からは感謝の言葉は聞けるけれど
結局それは自己満足ではないか、という思いが
また今度は起きてくると予想されて、どっちつかずな気持ちになるそうです。


真面目な人だと感心しましたし、若いのに気高い精神に心を打たれます。
この方のように真摯に人を助けようと努めた人ほど、
人間の慈悲の限界に悩むことになりますし、
親鸞聖人の『思うがごとく助け遂ぐること、極めてありがたし』の言葉の重さを
痛感するのだと思います。

 

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