【出世本懐(3)】
A・ミラーの『セールスマンの死』は、
もう60年前に書かれたものですが、
考えさせられる作品です。
ウイリーはセールスマンで、
日々忙しく働いていますが、
住宅ローンや、日用品の買い直しで生活は手一杯です。
寄る年波には勝てず、
じょじょに業績が落ち、
給料も評価も下がってゆきます。
あるとき、妻にこんなことをもらしました。
「考えてみるとだよ、一生働きつづけて
この家の支払いをすませ、
やっと自分のものになると、
誰も住む者はいないんだな」
ボロボロになるまで働いたあげく、
ウイリーは苦難に満ちた生涯を自ら絶ちます。
保険金でローンはなんとか返済されましたが、
本人はこの世にいませんでした。
ウイリーが何を販売していたか、
作品では明かされていません。
売っていたのは「命」だからです。
私の「命」とは、
私に与えられた「時間」でしょう。
大ざっぱにいえば、今の日本人は「八十年」の命を
生まれたときに受け取ります。
この財産を何に使っているのでしょう。
ほとんどの人は朝から晩まで働きますが、
働いた時間だけ、“命をすり減らした”のです。
私たちは命を切り売りして、
欲しいものを手に入れるのだといえましょう
今から紹介する故スティーブ・ジョブズ氏の講演の一節は
メディアやブログでもよく引用されていますが、
私たちの飽くなき凡習の繰り返しの日々に
一石を投じる鮮烈な内容です。
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本の中でこんな一節があった。
「来る日も来る日もこれが人生最後の日と思って生きるとしよう。
そうすればいずれ必ず、
間違いなくその通りになる日がくるだろう」
それは私にとって強烈な印象を与える言葉でした。
そしてそれから現在に至るまで33年間、
私は毎朝鏡を見て自分にこう問い掛けるのを日課としてきました。
「もし今日が自分の人生最後の日だとしたら、
今日やる予定のことを私は本当にやりたいだろうか?」
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これは受け売りの知識では通れない問いです。
お互い自問自答してみましょう。
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