【人身受け難し(3)】
哲学者パスカルの著書『瞑想録(パンセ)』の
という一句はよく知られています。
「人間は、自然の中で最も弱い一本の葦にすぎない。
しかし、それは考える葦である」
で始まる文章です。
人というのは自然界においてか弱いものです。
ライオンやクマはおろか、野生の犬やサルよりものろくて非力です。
養豚場の豚にしても、
黒帯の空手家が放つ渾身の正拳突きにも動ぜず
えさを食べ続けるそうです。
獣の毛皮は頑丈でぶ厚いのです。
一方人間はといえば、
身を守る毛皮も持たず、爪も牙もない、
もし裸で野山を走ったら枝や茨で
全身血だらけになってしまうことでしょう。
震災や津波などの大自然の猛威の前には無力と化す人間の姿は
3・11の際にもまざまざと知らされました。
かくもか弱い人間ですが、
今日万物の霊長として
動物界において圧倒的な強さを保っています。
人間をそのようにたらしめているのは、
まさに「考える力」のずば抜けているところにあります。
今日のような政治形態、経済の仕組み、科学の発展、
医学技術の進歩・・
どれ一つとってみても人間ならでは、のものばかりで、
ほかの動物がどれだけ努力しようが、
もう築けるものではありません。
では人命が尊厳なのは、この偉大な「考える力」にある、
と言い切っていいものでしょうか。
いえるとしたら、なぜいえるのでしょうか。
次回に続きます。
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お話しできればと思っています。
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関心ある方、予定を空けといてくださいませ。
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