親鸞に学ぶ幸福論

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七里恒順と泥棒【縁(6)】

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【縁(6)】


「光に向かって」という本にあったエピソードを紹介いたします。
「縁」の大切さを知らされるお話です。

 

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明治三十三年に没した博多の万行寺(まんぎょうじ)の住職、
dorobou(しちりごうじゅん)師は近代の名僧といわれる。

 

ある夜、師の寝室へ強盗が押し入り短刀を突きつけ、
「金を出せ」と迫った。

 

まじまじと自分を見ている師に、薄気味悪くなった泥棒サン。
「早く出さぬと、殺すぞ、殺すぞ」 とうろたえる。

 

「金は、床の間の文庫の中にある」

 

静かに師が答えると、文庫をかかえて慌てて立ち去ろうとした。

 

「待ちなさい」
「何か、用か」
睨みつける犯人に、おだやかに師は言っている。

 

「実はその金はのう、仏さまからのお預かりものなんだ。
 本堂へ行って、一言お礼を言ってから帰りなされや」

 

威徳に打たれたのであろう。
泥棒は素直に本堂へ行き、頭を下げて帰っていった。

 

やがて師に、警察から呼び出しがあった。
あの犯人が捕らえられたのである。

 

「金品を盗られたのなら、すぐに届けてくださらないと困ります」

 

「いや、私は盗られた覚えはありませんが……」

 

「貴僧はそう言われても、
 犯人がハッキリと白状しているのですから」

 

「それは何かの間違いでしょう。
 確かにある晩、金がほしいと言ってやってきた者はいた。
 だが、その人には仏さまにお礼を言って帰りなさいと、
 与えはしたが盗られたのではない」
いかめしい警官と、さわやかな問答が交わされたという。

 

刑を終えて出所すると聞いた師は、
「因縁のある男だ。私の寺に会計係がいない。
 ちょうどよい、働いてもらおうか」
と身受けしている。

 

感激した彼は立派に更正し、
生涯一度のミスも犯さなかったといわれる。


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泥棒でも、しかも盗みに入った家であっても、
出会った人によって人生が大変わりするというエピソードです。

 

人生は誰と出会うか、で大きく変わります。

 

『縁』には大変な力があるということです。

 

空気中の炭素は高温高圧の縁に触れると
ダイヤモンドになります。

 

ダイヤモンド。
この美しく輝き、最高の硬さを持つ物質が、
軟らかくて、時として汚れのひどい物の代表とされる炭や油煙や鉛
筆の芯などで知られる石墨(グラファイト)と同じ成分の、
炭素からできているのですから面白いものです。

 

私達も『縁』を大事に、
ダイヤモンドのように輝く人生にしたいところですね。

 

 

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