STAP問題の時、山中教授が
「なぜ、あのような論文が発表されてしまったのか不思議で、
本当に理解できない」と語りました。
山中教授は平成18年にiPS細胞の作製を発表した際、
自身の実験結果を「疑ってかかった」そうです。
実験担当者に何度も確認し、
別の研究者に再現してもらったといいます。
「それでようやく、再現性は間違いないだろうと発表した」
と述べました。
常識を覆すような研究は
特に慎重な確認が求められるとの認識から、何度も確認したのです。
なんとかSTAP細胞を、と強烈な望みを持ち、
そこに圧倒的な努力を傾注すると
それらしきものが見つかった時に舞い上がってしまい、
「これは間違いかもしれない」
という視点を失ってしまい、
世紀の大発見だ、と思いこんでしまう、
ということはあるのかもしれません。
そんな中でも、疑ってかかり、第三者に何度も確認するのは
科学者としての誠実さに加え、
相当の胆力が必要なのかと感じました。
■日本に仏教を伝えた、多大な功績のある聖徳太子の言葉に、
【我 必ず 聖にあらず。
彼 必ず 愚にあらず。
ともにこれ凡夫のみ】
という言葉があります。
「私は必ずしも、正しいとはいえない。
彼が必ず間違っているともいえない。
ともに間違いだらけの人間のやることだから」
という意味です。
思い込みが激しい自分、
しかもその自説が間違いであることの多い自分、
さらにその自説を否定する意見を排斥する自分、
そういう凡夫が自分、
との自覚に立って
聖徳太子は行政に取り組んでいったのかもしれませんね。
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