昔、大工をされていた方から
「養生(ようじょう)」という言葉を聞きました。
大工が建物を建てる前に
道具を用意したり、
刃を研いだり、
柱に印つけたり、
といった下準備のことを
「養生」というそうです。
難しいところを工事する時は
下準備がきわめて大事だから、
下準備に3分の2使うのだそうです。
「プロは足場をしっかり作る。」
という言葉が心に残りました。
道具なら、これとこれが必要になる、
としっかり前もって準備する。
下準備できたら、
あとはサッサッとできるのだとか。
これは何事にも通じる
プロとアマの違いの一つだなと感じました。
将棋でも、NHK名人戦を見ていると、
「あれ、なぜ駒をそこに置くの?」
と思うことありますが、
局面がだんだん進んでくると、
「いやあ、さっきのあの駒が効いてるなあ。」
となるのに感動することがあります。
自分も仏教を人にお伝えする立場ですが、
駆け出しのころは2時間の話しをするのに、
原稿を作り、
暗記するくらいに推敲し、
一日中準備して臨んだものですが、
慣れてくると準備がぞんざいになってしまうことを
反省させられます。
自己研鑽を怠ることは出来ない
と自戒していきます。