仏教とは仏の教えと書きます。
この「仏」とは、今から約2600年前、
インドにあらわれたお釈迦様のことです。
お釈迦様が35歳で仏の悟りを開かれてより
80歳でお亡くなりになるまでの45年間、
仏として説かれた教えを仏教と言います。
45年間のお釈迦様のご説法は今日書き残されており、
それが『一切経』です。
私たちが葬式や法事の時に耳にするお経のことです。
元々一切経はインドの言葉で書かれたのですが、
その一切経が三蔵法師の手によって中国にわたり、
漢文に翻訳されたものが、
今私たちが耳にする「お経」です。
それが朝鮮半島を経て日本に伝わったのが、
ちょうど聖徳太子のころでした。
この一切経、全部で何冊くらいあると思われますか。
45年間の教えのすべてですから、
10冊や20冊ではないとは思われるでしょうが、
なんと七千余巻、7千冊以上のお経があるのです。
仏教を学ぼうと思ったらこの一切経と取組まねばならないのですが、
何しろ7千冊ですし、
その一冊一冊も難しい意味を含んだ漢字で書かれていますから、
とても我々凡人の読めるものではありません。
このメルマガを読んでくださっている方も
仏教に少なからぬ関心をお持ちだからこそ
続けて読んでくださっていると思うのですが、
どこかで聞かれた仏教の教えに共感したとか、
釈迦の名言に心を打たれたとか、
仏教を知りたくなられた動機はいろいろでしょうが、
そもそも仏教とは何が教えられているのか、
ズバリ簡潔に答えられる人は案外少ないのではないでしょうか。
私は誰かと食事する時、
例えばその人がクリスチャンだった場合は
「キリスト教って、一言でいうとどんな教えなんですか?」
と聞いたりします。
あるいはアリストテレスを大学で学んだと聞けば、
「アリストテレスって、一言でいうと、どんなこと教えた人ですか?」
と聞きます。
この“一言で”という言葉で、
本質が鮮明になってきます。
こんな時、リクエスト通りに一言で答えてくれる人がいれば、
その人はそのことに相当造詣の深い人だとわかります。
自信がないと一言でまとめられませんので。
「一言でと言われても、とても一言では・・。
深い内容ですし、またいつか時間がありましたら・・」
と言われたら、言いたくないのか、
自分自身がよく咀嚼できていないか、
いずれかだと思います。
さて、仏教には何が教えられているのか、
一言で言ってくれと尋ねられたら
どんな答えが待っているのでしょうか。
歴史上、そういうやり取りが
儒教の学者と仏教の僧の間で交わされたエピソードがありますので、
紹介します。
明日に譲ります。