親鸞に学ぶ幸福論

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人間の本質を鋭く突いたレオナルド・ダ・ヴィンチの言葉【外道(3)】

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平成7年、オウムサリン事件が起きたあの時は

テレビ報道もあのニュース一色になったのを覚えています。

 

あの犯罪者の顔ぶれを見ると、

京都大学とか早稲田大学とか

高学歴の面々が連なっていました。

 

当時よく

"高学歴の、頭の良い彼らがあんなカルト宗教にどうして……"

と首をかしげる人もありましたが、

何もおかしなことでもありません。

 

【迷信】と【知識や才能】は関係ないからです。

 

昨日は『溺れる者はワラをもすがる』ということわざを通して

苦しい時に人間はくだらない迷信にも振り回されてしまう、

ということをお話ししました。

 

ワラなんかにすがったって助かるものではない、と

普段なら重々承知ですが、

おぼれてしまうと冷静でなくなってすがってしまう。

船の設計技師でも、溺れたらワラにすがります。

 

船の技師ですから、毎日浮力の計算をしているような人なんです。

そんな人がワラにすがる、と聞くと

何かおかしな感じを持たれるかもしれませんが

苦しいときは理屈ではないんです。

 

とにかく早く助けてほしい、と焦ってしまい、

何にでもすがろうとするものです。

 

日ごろ研鑚している学問は

苦しみが重なって

「なんで私ばかりこんな目に?」と悩む人に、

答えを示してはくれません。

科学も医学も経済学もその他大学で学ぶ諸学問は

この問いの前には無力です。

 

「これからどうなってしまうんだろう?」

と先行きの不安におびえている人に方角を示すものでもありません

 

今まで学んできた学問知識では一向に答えが出ない、

誰もはっきりしたことが言えないところにあって

「あなたの不幸は○○が原因です。」と

自信満々に断言する者が現れれば

コロッと騙されてしまいます。

 

キツネの生態を研究している生物学者がキツネの霊におびえる、とか

天文学者が星占いで動揺する、と聞くと、

おかしな感じがしますが、

迷信はこれら知識学問で掃討できません。

宇宙旅行する時代になっても

人がそこで生活する限り、

その宇宙船には占い師、預言者、霊能者の類は乗り込むことでしょう。

 

高学歴の人でも人生の苦しみは次々とやってきます。

周りからちやほやされる芸能人や権力を持つ政治家も不安の中に生きています。

みな人生の苦しみの海の荒波におぼれています。

だから高学歴の人がオウムに迷おうが、

芸能人が占い師に騙されようが、

政治家が霊能者通いしようが、

何の不思議なことでもありません。

 

『希望が死ぬと願掛けが生まれる。』

と言ったのはレオナルド・ダ・ヴィンチですが、

迷信に迷う人間の実態を言い当てています。

 

昔も今も一緒で、

常に迷信を招く温床は苦悩と不安です。

 

どれだけ科学が進歩しても、文明が発達しても

人間に苦悩が無くならない限り、これらの迷信がなくなることはないでしょう。

 

これら迷信に仏法を伝える者としてどう向き合うか、

明日に続けたいと思います。

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