親鸞に学ぶ幸福論

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青は藍より出でて藍よりも青いので藍は困っている

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大学時代、教室の机に

『青は藍より出でて藍よりも青いので藍は困っている』

という誰かの落書きがあって

くすっと笑ったのを覚えています。

 

青色(紺色)の染料は、

植物の藍を原料としていますが、

その染料で染めたものは、

藍よりも青い、の意で

【弟子が師匠を凌駕する】

ことを指します。

 

「藍」よりも青い「青」を

「藍」はおもしろくない。

これも妬み嫉みの『愚痴』の心です。

 

私は手塚治虫の漫画で育ったと言ってもいいくらい

手塚治虫は読み込んでいますが、

その手塚治虫は石ノ森章太郎が生み出した仮面ライダーに

幼い自分の息子が目を輝かせて夢中になっている姿に、

血が出るほどの強い力でこぶしを握り締めながら、

我慢して眺めていた、

というエピソードを聞いたことがあります。

 

石ノ森章太郎は高校生で投稿した漫画が

手塚治虫の目に入り、

『鉄腕アトム』のアシスタントを務め、

手塚の仲介で漫画家としてデビューしているのですから、

まさに愛弟子といっていいのですが、

そんな石ノ森に彼は文字通り血の滲むような嫉妬心を抱いていた、

というのですから驚きです。

 

B・ラッセルが数学を教えていたとき、

後にハイデガーと並んで二十世紀最大の哲学者とよばれる、ウィトゲンシュタイ

ンが受講をはじめました。

それからわずか一、二年のうちにラッセルは、

彼から鋭い批判を浴びせられるようになります。

ラッセルはそれから、ウィトゲンシュタインを口汚くののしり、

著作の一部から彼の名前を削除したと言われています。

 

手塚治虫にしても漫画界の巨匠であり、

B・ラッセルはノーベル賞作家であり、

泰然自若としてていい、盤石の立場だと思うのですが、

教え子から受けた屈辱は、赤の他人から受けるより

ずっと激しいものだったのでしょうか。

 

弟子の成長を念じ、陰に陽に心をかけ、

頭角を現していくことに目を細めたこともあったでしょうに、

自分をも凌駕するようになると、

今度は怨みと妬みの心に身を焦がすようになり、

足を引っ張り、引きずりおろしたくなる。

これも愚痴の心いっぱいの、悲しい凡夫の実態です。

 

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