最高級ワイン『ロマネコンティ』は
ボトル一本が安くても30万円以上、
中には数100万円の値がつくこともざらにあります。
ワインバーでもグラス10万円というのですから
庶民には高嶺の花です。
一年間の生産平均本数は約6,000本程度と
極めて稀少性が高いのが
高価で取引される理由ですが、
ではなぜ生産本数が少ないかといいますと、
この『ロマネコンティ』、
フランスのロマネ村に在る約1.8ヘクタールの
ブドウ畑から取れたブドウからでしか作らないからです。
この僅かな土地で作られるブドウが
世界中のソムリエの舌をして、
“圧倒的な深みがある絶品”ワインを生み出し続けているのです。
さぞロマネ村の土地は滋養に富んだ肥沃な土地なんだろう
と思いきや、じつはその反対で
特別にやせた土地なのだそうです。
そしてその痩せた土地にこそ
『ロマネコンティ』の美味しさの秘密があったのです。
土地がやせているために、
ブドウの木は栄養をとろうとして
根っこを地中深くまで伸ばさなければなりません。
その根っこは何層もの地層を通り抜け、
なんと何十メートルに達します。
この何層もの地層を通り抜けた根っこから
味や香りに結実する多くのニュアンスを取り出し、
あの『ロマネコンティ』の味となるというのです。
「花の咲かない冬の日は、下へ下へと根を伸ばせ」
という言葉を思い出します。
人生は決して平坦ではなく、
思わぬ不幸や災難に見舞われたり、
評価もされず恵まれることなく不遇な時期を過ごす、
そんな時はあります。
そんな“花の咲かない冬の日”にこそ
このロマネ村のブドウの木のように
根を深くはっていったならば、
他の畑の木からは採れないような
素晴らしい果実が実る、ということですね。