今年、かまぼこ販売の美濃屋吉兵衛商店が倒産しました。
なんと戦国時代に創業した、450年以上の歴史を持つ
老舗中の老舗だそうですが、
「サドンデス倒産」「企業の突然死」と称される現今は
どれだけ続いている企業でも
安心しておれる時代ではないようです。
航空会社3位スカイマークも経営に行き詰まり、
職員は「何も聞いてない」と驚いていたニュースが流れました。
年間売上は800億円以上ですが、とてもやっていけず、
負債総額は1000億円規模になる見通しだったそうです。
平成10年、寡占状態だった航空業界に新規参入し、
業界に風穴を開けた感のあった当時のスカイマークには
勢いを感じたものですが、
環境が変わると一気に業績が悪化するのが
今日のご時世なのでしょう。
▼小学生の時は100円玉一枚握って
近所のお菓子屋に行って
ガチャガチャ(正式名称知らない)をやったり、
ビックリマンチョコのシールに一喜一憂したりしたものです。
100円玉一枚で十分夢が買えたのです。
▼それが中学生にもなると、
100円玉一枚握って何かすることはできません。
放課後、友達とマックに行ってもコーヒー一杯飲めません。
せめて千円札一枚はないと、、となってくる。
▼さらにそれが高校になると、
千円札一枚ではちょっと困ります。
彼女と初デートだというのに、
千円札一枚だけ握り締めていくという高校生はいない。
映画も行けないではないか。
一万円札一枚くらいあれば、
ちゃんとしたデートができる、というものでしょう。
▼ところが大学生になると
仕送り10万円振り込まれるといっても、
家賃にいくら払って、
携帯料金にいくら払って、、
としているうちにあっという間になくなってしまう。
バイトしなければとてもやっていけない。
もしあなたが小学生の時、
10万円が自分のものになったとしたら
どんな気持ちになったでしょうか。
一生使い切れないような大金を手にしたように
高揚したのではないでしょうか。
■小学生より中学生、
高校生より大学生、
平社員より課長の方が入ってくる金額は多いのですが、
出ていく支出も多いので、
ちっともお金の憂鬱から開放されない。
金額の桁が違うだけで、
金銭の悩みはまったく変わりません。
年間売り上げ800億円と聞くと、
一般庶民は「一生安泰だ、思う存分贅沢できる、いいなぁ」
と思うかもしれませんが、
そんな企業は、その分人件費や設備投資とか税金とか、
やはり支出も何100億ですから、
まだまだとても安心できません。
お金の悩みは我々庶民と同じです。
0の桁が違うだけです。
■ゾウが一日食べる量は
青草60キロ、干し草7キロ、わら6キロ、
バナナ3キロ、パン1キロ、固形飼料5キロ
パンダの食べ残した竹10キロ
これをロバが見たら
「なんてゾウは豊かなんだ、恵まれているんだ」
とうらやむでしょうが、
ゾウは毎日これだけの量の餌が供給されなければ
たちまち餓死してしまうので、
自分のことを豊かで恵まれているとは思えないのと同じです。
仏教でとかれる六道(六つの迷いの世界)の一つに
『餓鬼界』があります。
餓鬼界(餓鬼道)に住む餓鬼は、
常に飢え、渇しており
「ほしい、ほしい、くれ、くれ」
と求めては得られず、苦しんでいます。
その餓鬼に二通りあると説かれています。
『無財餓鬼(むざいがき)』と『有財餓鬼(うざいがき)』です。
無財餓鬼とは、お金がなくて
「ほしい。ほしい。」と苦しんでいる餓鬼ですが、
お釈迦様は、財があっても苦しんでいる『有財餓鬼』もいる
と説かれているのです。
年商何百億という企業の経営者が、
それでも一向に不安や心配が絶えず
もっと欲しい、もっとなんとかせねば、と苦しむ有様は
お釈迦様が指摘される『有財餓鬼(うざいがき)』の姿でしょう。
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