キリスト教の神はクリエイター、万物の創造主という意味であり、
人間一切の動植物、この宇宙全部、神による被造物である、
のがキリスト教やイスラム教の教義です。
ちょうど私たちが精巧な時計やラジオを作ったように
神も私たち人間、宇宙自然を作ったのだ、といいます。
イギリスの哲学者B・ラッセルが
万物の創造主という教義に反論をしてます。
「18歳のある日、わたしは
ジョン・スチュアート・ミルの自叙伝を読んだのです。
ところが、その中で、わたしは次の文章を発見しました。
「わたしの父は、
'誰がわたしを造ったか'という問題は答えられない、
ということをわたしに教えた。
なぜならば、その問題は、たちどころに、
「誰が神を造ったか」という、さらにもう1つの問題を暗示するからである。」
その極めて簡単な文章が、今でもそう思うのですが、
第1原因による証明法の誤謬をわたしに明示したのであります。
もしあらゆるものが原因を持たねばならないとするならば、
そのときは、神にも原因がなければなりません。
もし原因なしに何かが存在することができるとするならば、
神と同じように、「世界」であってもよいことになりましょう。
そうなると、その議論には、なんの妥当さもありえないことになります。
それは、まったく例のインド人の意見と同じであります。
それによりますと、世界は1匹の象の上にあり、
その象は1匹の亀の上にあるというのです。
ところで『亀はどうなんですか』と聞かれたとき、
そのインド人は、
'話題を変えられたらどんなものでしょう'
と言ったということです」
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