【求不得苦(2)】
■『求不得苦(ぐふとっく)』という言葉が仏教にあります。
仏教では私たちのもう逃れられない苦しみを
八つにわけて「四苦八苦」といわれます。
(日本では四字熟語になってますね)
その八つの中の一つに『求不得苦』があります。
「求めても求めても、得られない苦しみ」のことです。
■私達は、幾つになっても、いろいろなものを求めます。
○優秀な学歴を欲したり、
○会社の出世を望んだり、
○異性の心を求めたり、
○名声を争ったり、
○財産をほしがり、
○才能にあこがれる。
ところが求めたものが、
どうしても手に入らないという現実に
たびたび直面するものです。
▼才能が足りなくて、なりたい仕事につけなかった・・・
▼片思いのまま、ついに、向こうが振り向いてくれることはなかった・・・
▼入りたい大学に不合格で、行きたくない学校に行かなければならない・・・
あなたも振り返れば、いろいろな求不得苦を経験されたと思います。
■小さい頃は、ほしいものがあれば、
おもちゃ売り場で、「やだ、やだ、やだ~!!」と、
床に転げまわってないていれば、
「しょうがないわね。」
と母親が、買ってくれた、ということもあったでしょう。
しかし、それも通用するのは子供だけ。
成長して大人になれば、「やだ、やだ、やだ~!!」
と、どんなに泣いたところで、
やはり、求まらない現実は動かせません。
▼受験に落ちた浪人生が、
合格発表の掲示板の前で、
「やだ、やだ、やだ~!!」と転がっていても、
「しょうがないなあ、じゃあ合格にしてやろう」
という大学当局はありません。
▼喫茶店で、別れ話を切り出された男性が、
「やだ、やだ、やだ~!!」と喫茶店の床に転げまわっていても、
彼女の心は取り戻せません。
(よけい嫌いになります笑)
そんなことをしても、もう2度と求めたものは
手に入らないということはわかりますから、
泣きたい気持ちをじっとこらえて、
我慢を覚えるようになります。
■生きてゆく以上、どうしても、
耐えてゆかなければならない苦しみの1つだと、
お釈迦様は教えてゆかれました。
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