【我慢(1)】
■「我慢しなさい!」
「人間は我慢が大事だよ。」
「よく我慢したね。」
この『我慢』という言葉、
現在では「忍耐」という意味で用いられ、
ポジティブな意味合いを持つ
いい言葉のように思われています。
実はもともとは仏教の言葉です。
このブログでも『慢』(うぬぼれ)を
たびたび取り上げています。
慢という煩悩を細かく分けると7つに分けられ、
これを七慢といいますが、
その一つが『我慢』なのです。
『我慢』とは
自分の意見は間違いだとわかっても、
いったん自分が主張したことは曲げられず、
自分の思いを押し通してしまう、うぬぼれ心です。
この我慢でお互いぶつかり合い、
ケンカになるものです。
■幼児のケンカは衝突も早いが
仲直りも早いですよね。
おもちゃ取られて
今さっき泣いていたかと思うと
もう二人して笑っている。
「あ~、わだかまりなくていいなあ。」
と思わず笑っちゃいました。
というより実は笑いながらも感動してしまいました。
大人は我慢も強くなるのか、
いったんこじれたら
こんなようにはもうなりませんから。
▼小学生くらいまでは
ケンカして二、三日ぐらいは口を利かないことはあっても
仲直りできます。
▼中学になると一度衝突したら
一、二週間になります。
▼高校生になると一カ月ぐらい、
▼大学になると五、六カ月はかかります。
▼社会人ともなると、
よほどの仲裁人でも入らぬ限り困難です。
▼老人のケンカになると、
棺桶に入るまで絶望的となる。
「オレがオレが」の主張は、
年を増すごとに強くなるようです。
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