【名誉欲（５）】
ネット上の人気サイトで、
褒めてくれる〝サロン〟があると友人に聞いて
アクセスしました。
名前や性別などを入力すると、
ツボを心得た褒め言葉が次々出てきます。
「なんだ、これは」と苦笑い。
しかし悪い気はしない。
普段、褒められることの少ない身としては、
心無きパソコンの褒め言葉でもうれしいものです。
いかに人は称讃を欲しているかということでしょう。
八百屋で
「お嬢さん、今日は安いよ」
と言われ、満面笑みになる主婦。
キャバクラの呼び込みに
「社長、社長、寄っていかない。」
と言われ、ごきげんになるサラリーマン。
歳を言われたとき、
「え～、○歳くらいだと思った！」
と10ほど若い歳を言って驚いてみせると
「またまた～」と言いながらも、
顔が崩れる。
人間はほめられると弱い。
人間の弱点です。
ただのリップサービスだぞ、と
自戒しても、顔が緩んでいく。
欲に流されて、道を誤るものは多いですが
仏教では、五欲 といって
人間の代表的な欲を五つに分けて説かれます。
その一つに『名誉欲 』があります。
評価を失うのを恐れて
節を曲げるものがどれだけいることだろう。
かりそめの称讃を売るために
悪事に手を染める者も充満している。
「名誉欲の大山に迷惑している」
と親鸞聖人も懺悔されています。
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