【瞋恚(しんい)(4)】
仏教で『瞋恚(しんい)』といえば、怒りの心のことです。
「怒りの心は欲が妨げられたときに出てくる」
とお釈迦様は説かれました。
腹を立てたときの心を静かに思い返してみてください。
何か自分の思いが、その人に妨げられたとき、
腹が立ったのではないでしょうか。
ほめられると思ったのに、馬鹿にされた
儲かると思ったのに、損した
眠れると思ったのに、起こされた
そんな時でしょう、怒りがこみ上げてくるのは。
■大事な商談が部下のミスで台無しになると、
あいつのせいで儲け損なった、と怒り心頭です。
お金ほしいという財欲が邪魔されたからです。
会議中に自分の意見がこけ下ろされ、侮辱された、となればどうでしょう。
悔しくて、腹が立って、この仕打ちは死ぬまで忘れられない。
人からよく見られたいという名誉欲 が傷つけられたからです。
私は三人兄弟だったので、アイスやプリンを食べた、食べないで、
兄や妹とよく喧嘩しましたので、
「食べ物の恨みは恐ろしい」と言われるのもわかりますが
あれは食欲が邪魔されてのことでしょう。
自分の欲が邪魔されない場合は、ひどい事をした人があっても
腹が立たないものです。
中東でデモにまぎれて、店の商品が略奪にあって、
女店長が涙目で怒っている場面がテレビに出ていました。
そんなニュースを見ても「おのれ、強盗した暴徒め~!」と
私自身が腹が立ってくるか、といえば、なんとも思わないのです。
あくびしながら見ています。
しかし自分に利害が絡むと
全身逆立てて怒りがこみ上げます。
自分のものが盗まれたら、ただではすみません。
「人の物盗ってよく平気でおれるな!!」
と激昂することでしょう。
【自分に関係ないとブタのように鈍感だが、
いったん自分に害が及ぶと、烈火のごとく怒り狂う】
といわれます。
我々凡夫の実態です。
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