【精進(3)】
相撲の世界に「3年後の稽古(けいこ)をせよ」
という言葉があるそうです。
「3年後に勝てるようになるような稽古を今しなさい」
という意味です。
相撲における3年後の稽古とは
「四股(しこ)」や「てっぽう」のことです。
四股を踏むのは、見ているよりずっと筋肉を使うようで、
10分もやると、全身から球の汗が吹き出てくるのですが、
それをひたすらやり続ける。
20分もすると、足が重くて上がらなくなるのですが、
さらにその中をやり続ける。
また、柱に向かって、ひたすら「てっぽう」をする。
そういう練習をしても、すぐに、実力がつくわけではありません。
当面の勝ちを拾おうと思ったら、
ネコだまし(ハッケヨイのこったの時に、相手の目の前で、パチンとたたくこと)や、
横っとびジャンプとかで、撹乱(かくらん)したほうが勝ちは拾えるかもしれません。
しかし、力士としての、
しっかりした地力はそういった練習では身に付かない。
四股や鉄砲を、地道に毎日繰り返すことが、強い足腰や、腕をつくり、
3年もすると、強い力士になっていくのです。
【基本を続ける】
これを軽視する者は大成しないのは、どの道でも通ずることでしょう。