【禅定(1)】
アウシュビッツ収容所は、現在、世界遺産として保存されており、
ヨーロッパの修学旅行のコースとなっています。
ドイツ国民は敗戦後、戦勝国により、
収容所を見学させられ、その様子を
一人の女性カメラマンがこう記しています。
「女性は気を失い、男性は顔を背け、
“知らなかったんだ”という声が人々から上がった。
すると解放された収容者たちは怒りをあらわにこう叫んだ。
“いや、あなたたちは知っていた”」
■メルマガ読者の方が、東欧旅行で
アウシュビッツ収容所を見学された際の感想を下さったのですが、
案内してくれたガイドさんが最後にこう言ったそうです。
「今のシリア難民を自分たちに関係のない出来事だと捉えてしまう
ことが、アウシュヴィッツに繋がってくるのだと思います」
■ドイツが、国内で多くの事件を犯す難民を、なおも受け入れに
国民がおおむね積極的なのは、
EU離脱を決めたイギリス国民とは対照的で、
どうしてだろうと感じていたのですが、
アウシュビッツという負の歴史を背負う、
ドイツ国民の贖罪の意識があるのかもしれないと、
案内ガイドの言葉から感じました。
■仏教に教えられる6つの善の一つに『禅定』があります。
今日の言葉で言えば、「反省」することです。
誰しも過去を振り返れば、言ってはならないことを言ったり、
してはならないことをして、人を傷つけ、
迷惑をかけてきたことがあると思うのですが、
その過ちを凝視し、反省し、
もう二度とこんなことがあってはならないと努めていくことは
善行であると、お釈迦さまは勧めておられます。