親鸞に学ぶ幸福論

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ミシュランの星に苦しむベルナール・ロワゾー氏の苦悩

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【有無同然】


金沢のレストランで、こんな宣伝文句を見ました。

「ミシュランで星を獲得した名店『○○』で修行したシェフによる

創作料理」

改めてミシュランのすごい権威を知らされました。

その店自体がミシュランの星を獲得したわけではなくても、

そこで働いていたスタッフの一人を雇えば、

このように宣伝できて、人を集めることができるのですから。

ましてや自分の店がミシュランの星を獲得できたら、

店長、オーナーが感泣するのは、よくわかります。

 

「ミシュランガイドなんて、たかが一冊の本だ。

他人の評価に踊らされたくない」と口にする料理人もいますが、

星の獲得によって来客数が大幅にアップするのは歴然たる事実、

決して無関心を装えるものではないでしょう。

 

フランスの三ツ星レストランのシェフ、

ベルナール・ロワゾー氏の店が

ミシュラン最高の3つ星を獲得したのが1991年。

彼の経営するレストランの売り上げはこの年一気に倍増し、

世界中からお客が押し寄せ、

国の要人や芸能人も訪れる人気店になりました。

 

ところが皮肉にもこの成功により、ロワゾー氏の心に

3つ星を失う恐怖感が芽生え始めます。

常連ではない客が店に訪れるたびに、

ミシュランの調査員ではないかと動揺し、

不安発作に襲われたそうです。

生前「もし星を失うようなことがあれば、自殺する」と

ほのめかしていましたが、

2003年、新聞紙上に酷評されたことから、

今年はミシュランの星を失うことになると悲観し、

ライフル自殺しました。

 

ミシュランの星を獲得した多くのレストランは、

星を獲得した時の味を絶対損なわないよう、

正確にレシピを再現します。

毎年、重圧に苦しむ何人ものシェフが星を「返却」したいと

差し戻しを求めるそうです。

「ミシュランの星は逃れられない“呪い”のようなもの」

と述べたシェフもいます。

 

仏教に『有無同然』という言葉があります。

「有っても無くても苦しみは変わらない」という意味です。

無いときは無いことで苦しむ。

有れば有ることで苦しむ。

これさえあれば満足できる、幸せになれる、

と世界中のシェフが躍起になって追いかけているミシュランの星も、

手に入れると、今度は失う不安が襲い、苦しくなる。

これも『有無同然』の実相です。
 

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