親鸞に学ぶ幸福論

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同じものを見ても、同じように映らない

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【業界(1)】


■仏教に「業界(ごうかい)」という言葉があります。

(ぎょうかい)と読まずに(ごうかい)と読みます。

「業(ごう)」とは、「行為」のことです。

みな一人一人、思っていること、言っていること、

していることが違います。

それら「業(行為)」が各人各別だから、

同じものを見ても、同じには映りません。

 

■「私はなんて不幸なんでしょう。

 今まで上司に恵まれたことは一度もない。

 すぐ怒る。いっつも嫌味を言う。えこひいきする。

 意見を押し付ける。ロクなのがいない。

 なんで私ばっかりこんな上司の下で働かなければならないのだろう。」

・・こんな人は少なくありません。

 

一方、こんな人もいます。

「私は幸せなことに、今まで上司に恵まれていて、ここまでこれました。

 親身に話を聞いてもらえる、仕事もこまかく教えてもらえた、

 悪いところは叱ってくれる、よく認めてくれる。

 ありがたかった。

 今までの上司に感謝してお返ししたい。」

 

同期で入社して、同じ会社で仕事していながら

こうまで極端に上司に恵まれる人と恵まれない人と

違いが出てきてしまうのはどうしてなんでしょう。

首を傾げたくなりますが、

そんな時に参考になりそうな話を紹介します。

 

■ある町の入口に老人が座っていた。

そこに、よその町からジョンと名乗る一人の若者がやって来て、

老人に話しかけた。


ジョン「私は、この町に引っ越してくることになりました。

    この町の人たちは、どんな人たちですか?」

老人 「君が今まで住んでいた町には、

    どんな人たちが住んでいたかね?」

ジョン「自己中心的で不親切な人が多かったです。」

老人 「この町も同じようなものじゃ。」

 

しばらくして、また、よその町から

マイクと名乗る別の若者がやって来て、

その老人に話しかけた。


マイク 「私は、この町に引っ越してくることになりました。

     この町の人たちは、どんな人たちですか?」

老人 「君が今まで住んでいた町には、

    どんな人たちが住んでいたかね?」

マイク 「親切でやさしい人が多かったです。」

老人 「この町も同じようなものじゃ。」

 

数ヶ月が過ぎ、ジョンとマイクは、それぞれ同じことを思った。

「あの老人の言ったとおりだ。

 前の町も、この町もいっしょだ。」

 

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