【凡夫(1)】
人間の事を仏教では『凡夫』といいます。
凡夫のことを
「欲も多く、怒り、腹立ち、そねみ、ねたむ心多い者」
と親鸞聖人も説かれています。
世界中の人口が74億人に迫ろうとしていますが、
何人いようが「みな凡夫だ」と仏教では説かれています。
シェークスピアの劇では
王様役、商人役、騎士役から、農民役もあれば、
乞食役も出てきます。
ところが楽屋に帰れば、みんな同じ役者仲間です。
乞食役が王様役に「なんじゃ今の演技は!」
と叱っていたりもします。
人間本質的には何ら違いはないのですが、
まわりのレッテルに錯覚してしまうのでしょう。
首相官邸を、何十万のスーツを着て、
数多くの報道記者に囲まれて登場する安部首相を見れば、
さすがは一国の首相だ、とステキに思うでしょう。
しかし安部首相に、青い作業服着せて、
玄関口に立たせて「電気工事に来ました」と言わせたら、
これまたよく似合いそうな感じもします。
~会長だ、~署長だ、~大臣だと、
立場や身分のレッテルを貼られると、
周りも「偉い人だ」と誤解し、
本人も、ひとかどの人物になったかのように錯覚していきます。
厳に警戒しなければならないと知らされます。