【出世本懐(2)】
「手を一つ打つにつけても討つという
仇のことは忘れざりけり」
大石内蔵助の詠んだ歌です。
敵を欺くため、遊興に耽る大石が、
遊女の小唄に手拍子を打ちながら心中深く、
彼にとっての本懐成就である「吉良を討つ」と
執念を燃やしていた、という歌です。
遊興三昧の大石に周りの武士仲間は
「あれで武士か」「腰抜け」と嘲笑し、軽蔑します。
今までの名声は地に堕ち、家族や親戚からも愛想を尽かされ、
一般庶民から侮辱されますが、
彼はそれら飲めない泥水もあえて飲みました。
すべては「吉良を討つ」という目的一つのためでした。
「出世の本懐」とは、
「この世に生まれてきた目的」ということです。
「これ一つ果たしたら人生悔いなし」という、
人生究極の目的を指す言葉です。
その本懐成就を目指す者、大石の気概があって当然です。
時に耐えがたい屈辱も甘んじて受けねばならないことがある。
家族や友人から嫌われ、孤立することもあるかもしれない。
橋の下の乞食になることも覚悟することもありましょう。
何があろうと、どうということはない。
すべては【出世の本懐を果たすため】です。
=========
仏教の教えをわかりやすく体系的にお話する
20回の無料メール講座好評配信中。