【法鏡(1)】
仏教は「私とは何か」に迫る教えです。
『法鏡』といわれる所以です。
「私とは?そんなもん。。。
自分のことくらい自分が一番よく知ってるさ」
と一蹴する人もあるかもしれません。
「別に他人に聞かんでも自分のことでしょ?
自分以上に知っている者がいるかい。」
と言いますが、
果たしてそう言い切れるものでしょうか。
ある奥さん、夫の大きないびきが気になって腹が立って眠れない。
「あなたのいびきがうるさくて眠れないわ」
と訴えますが、夫は全く身に覚えがない。
「そんなはずがない」の一点張りだ。
それなら、と証拠を示すため、
奥さんは寝室に録音機をセットして休みました。
翌朝、夫の前で昨晩のテープを再生すると、
まげれのない夫の高いびき。
愕然としている夫に、
懲りるまでずっと聞かせてやれ、
と流し続けていると、
やがて続いてもう一人、奥さんの、
さらに大きないびきと寝言が聞こえてきた、といいます。
『謗るまじ たとい咎ある 人なりと
わが過ちは それに勝れり』
「あいつの言葉が人を傷つけている」
「あの人は周りの迷惑を考えていない」
「我が身知らずも甚だしい」
と腹を立てていますが、
自分も同じようなことを言って人を傷つけたことはなかったか
同じようなことをして周りに迷惑をかけたことはなかったか
もっとひどかったのではなかったか、
振り返ると思い出されてきます。
それでいて己を棚に上げて
人の欠点ばかり指摘したくなるのですから
我が身知らずはどっちだ、と知らされてまいります。
=========
仏教の教えを分かりやすく体系的に学べる
全20回の無料メール講座です。
おもしろそうだなと思われた方はこちらから登録できます。
登録解除もいつでも自由なので、一度お試しに覗いてみてください。