親鸞に学ぶ幸福論

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ミケランジェロ「天才」の名声に隠れているものとは

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精進(2)】


■ミケランジェロは、歴史に残る彫刻や絵画を多数残した、

まさに「天才」と呼ぶにふさわしい芸術家ですが、

こんな話があります。

 

ある日、彼のアトリエを訪れた友人に、制作中の石像を指して、

「ここを見てごらん。少し深く彫ってみたんだよ。

ここはね、線にふくらみを持たせてみた……」

と、夢中になり、延々と語り始めました。

 

ところが友人には、先日の石像とどこがどのように変わったのか、

皆目分かりません。

こんな誰にも分からない個所を何日もかけてこだわっているよりも、

その間にもう一つ製作したら、彼ほどの大家の作品、

どれだけ能率が上がるか、と、

彼のしていることが才能の無駄遣いのように感じたのでしょう。

つい言ってしまいました。

「あまり細かい部分に日数をかけるのは、意味がないのではないか。

そんな時間があったら、別の作品に取り組んだほうがいい」

 

ミケランジェロは、うつむき加減にちょっと考える面持ちになり、

やがて顔を上げて静かに答えたといいます。

「そういう考え方もあるだろう。

しかし、小さな修正に時間をかけず、

見かけだけいいものを作っても、決して、人の心を打たないのだ」

 

ミケランジェロの作品の一つ一つが古今東西の垣根を越え、

人々を深く感動させるのは、

彼のこういう妥協を絶対しない姿勢にあったのでしょうね。

 

■有名な音楽家タルベルグにも、こんな話もあります。

ある人がピアノの演奏の依頼にいった時のこと。

近日にせまった新曲発表を、ぜひ、成功させたかったからです。

ところが、タルベルグの返事は意外でした。

「申し訳ないが、練習する日がたりません」

「あなたほどの大家、4、5日もあれば、これくらいの歌曲は、

わけないでしょう」

「いや、私は公開の席に出るには、

1日50回、1カ月1,500回以上の、練習をしなければ

出演いたしません」

 

■ミケランジェロにしても、タルベルグにしても、

彼らが一つの作品、一つの演奏に、身を削る思いで打ち込み、

どれだけ大変な時間と労力をかけてきたことか、

誰も気付かないであろうことは、

彼ら自身がよく知っていたでしょうが、たとえ気付かなくても、

そこを妥協せずに精魂込めたものでなければ

「何か分からないが、これは違う」と

人々の胸を打つ、感動を与える作品、演奏にはならないことを

よく知っていたのでしょう、

 

■海に浮かぶ氷山には、大きいのから小さいのまであります。

氷山が海面上に顔を出しているのは、全体の9分の1だそうで、

9分の8は海に隠れています。

人が感嘆するような大きな氷山は、

その隠れた部分にこそ、とてつもなく大きな氷の塊がある、

ということです。

人の見える部分だけ大きな氷山を作ろうとしても、

それは無理で、見えないところが大きくならないと、

見えるところも大きくならないということです。

 

ミケランジェロやタルベルグという大きな氷山には

その隠れた部分にこそ、大きなところがあった、

ということですね。

 

■私はこうして仏法を文章で伝えたり、人前で講義したり、

という立場でもう20年以上になりますが、

10を話しようと思ったら、100を知らねばならない、

と痛感し、反省させられています。

「10のこと言うんだから、

10だけわかっとればいいではないか」

ではやっぱりだめです。

100知ってその中の10の話と、10の中の10の話では

ぜんぜん説得力が違う、筆致が違う、表情が違う、

語尾も語勢やアクセントも、みな違うのです。

もうごかませない。

中に隠れて見えないものが大事だ、とつくづく知らされます。

 

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