親鸞に学ぶ幸福論

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親は子供の住んでいる世界をのぞき見ることさえできない。カルマの生み出す世界とは

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【独生独死独去独来(2)】

 


「夫は夫の生み出した世界に住んでいる。

妻は妻の生み出した世界に住んでいる。

同じ屋根の下で暮らしていても、世界は違う」

先回、そんな話をしましたが、これを仏教では

業界(ごうかい)』といいます。

 

『業』とはインドの言葉で『カルマ』、

日本の言葉では『行為』のことです。

・思ったこと ・しゃべったこと ・やったこと

この3つを『三業』というのですが、これは各人異なります。

育った環境も、受けてきた教育も、経験してきた仕事も、

付き合った人も、休日にしている趣味も皆違います。

それら各人の業(カルマ)の生み出した世界に

一人一人住んでいる、その世界を『業界』というのです。

 

夫の業と妻の業は違います。

だから同じ屋根の下で二人で住んでいても、世界は違います。

己の業の生み出した世界に、ぽつんと独りぼっちでいるのです。

 

夫は部下との人間関係で悩んでいます。

その悩みを奥さんに「理解してくれ」と要求しても、

それは難しいでしょう。

奥さんは、その会社に勤めた経験もなければ、

その役職についたこともないのですから、

夫の苦しみはわかりません。

よく一日署長といって、アイドルが警察官の格好しますが、

奥さんがちょうどそのように

「一日会社員、一日課長となって、

夫の会社の大変さを体験してみましょう」

と取り組んだところで、わかるものではありません。

何十年も勤めてきてこそ、感じている悩みなのですから。

 

一方、妻の苦しみを夫がわかってやりたいと思っても

これもわかってやれません。

奥さんは、姑のことで悩んでいる。

それをわかってもらいたいと思って妻は一生懸命話するのですが、

夫からしたら、実のお母さん、ですから、

「何で母とうまくやってゆけないのか。ちっともわからん」  

となります

 

親子でも同じことです。

親は親の世界に住んでいて、子供は子供の世界で生きています。

夫婦の場合、本質的には赤の他人ですが、

親子は同じ血を分けた仲ですから、わかり合えると思っています。

特に母親はわが子を自分の分身のように思う人もあります。

しかし現実はお互い、もう分かり合えない。

 

子供は親に

「親はぼくの気持ちなんかちっともわかってくれない」

と腹を立てます。

親は子供に

「なんで親の気持ちがわからないの」

と苦しんでます。

「わかってくれない」

「わかってくれない」

と自分を理解しようとしない相手に、

怒りのつぶてを投げつけてしまっています。

しかし、わからないのは当然ではないでしょうか。

昭和40年代生まれの親と、平成生まれの子供とでは、

育った環境、学校や親からの教育、影響受けたマンガや本、

ずいぶん違いますから、同じものを見ても、同じものと見ません。

 

『一水四見』という仏教の言葉もこのことを説いたものです。

一つの水を

○人間界は飲み物と見る

○畜生界の魚は住処と見る

○餓鬼界の者は炎と見る

○天人はルリと見る

という意味ですが、『業界』をいわれたものなのです。

 

相手の世界を「お前の業界、どうなの?」

と覗き見ることさえ、許されません。

独生独死独去独来」(釈尊)

最初は「わかりあえる、この人となら」と歩み寄るのに、

皮肉なことに、近づけば近づくほど、

わかりあえていないことだけが知らされていくのです。

 

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