【自利利他(2)】
「シーソーの法則」をご存知でしょうか。
シーソーの中央に一個のボールがあります。
そのボールをこちら側に引き寄せるにはどうしたらいいでしょう。
【向こうを上げて、こちらを下げる】ことです。
コロコロとボールはこちらにやってきます。
逆に【こちらを上げて、向こうを下げる】と、
ボールは自分から遠ざかります。
さて、ボールにたとえたのは「相手の心」です。
【相手を上げて、自分を下げる】とは、
「がんばっているのはあなたで、怠けているのは自分だ」
「苦労しているのはあなたで、楽しているのはオレだ」
と見ていくことです。
すると、自ずと相手の心はこちらに近づきます。
逆に、【自分を上げて、相手を下げる】とは、
「自分はこんなにがんばってるのに、あなたはいつも怠けている」
「オレばかりが苦労して、あなたは楽ばかりしている」
こう思っていると、必ず相手の心は離れていきます。
一例を挙げます。
「あれオレ詐欺」という言葉があります。
「振込み詐欺」は当初「オレオレ詐欺」といわれていましたが、
「オレオレ詐欺」ならぬ、「あれオレ詐欺」です。
会社のある課で、一つの大胆なプロジェクトを
部下の社員が提案してきた際、渋面の課長が
「そんなの、通用するはずないじゃないか。
できなかったらオマエ責任取れよ」
と否定的だ。
ところが思いのほか、そのプロジェクトが成功し、
会社に大きな貢献をした。
その時に否定的だった課長が、社長や重役に、なんと
「あの企画は私が考えて実行しました」
と得意然と報告したのに、部下は開いた口がふさがらない。
そんなのを【あれオレ詐欺】というそうです。
こんな上司は部下からの信用は失います。
逆に自分が企画創案して成功に導いたプロジェクトであっても
「うちの課の○○が頑張りました」
と部下のアイデアや仕事ぶりを立てて報告する課長なら、
部下から慕われ、尊敬され、
上司からも一目置かれる人となりましょう。
【「おれが」「おれが」の我を捨てて
「おかげ」「おかげ」のげで暮らせ】
「頑張ってるのは私、楽しているのはあなた」
の心を捨てて
「頑張っているのはあなた、楽しているのは私」
と自覚していきたいものです。
そしてそれは「そう思おうね」「そうふるまおうね」
ということではなく、
たいていの場合は事実です。
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