親鸞に学ぶ幸福論

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座間の白石容疑者に惹かれた自殺願望の女性たち

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【人身受け難し(1)】


座間の9遺体事件が日本中を震撼させています。

白石容疑者は、自殺願望の若い女性に

「一緒に死のう」と心中を持ちかけ、自宅に連れ込み、

殺害したことがわかってきました。

動機については「金銭や乱暴目的であった」と話しているといいます。

 


今回の事件で、世間に周知された事実は

多くの若者が自殺願望をネット上で訴えていること、

そして彼らが「心中しよう」「殺してあげますよ」の呼びかけに

強烈に惹かれていったということです。

 


テレビの報道に

「まだ若くてこれからの人が、どうして自殺したいのか」

と首をかしげる人もいたでしょうし、

世の識者は、若者が死に急ぐ社会そのものを問題視する評論をしています。

中には、なんとか自殺を止めたい気持ちから、

「死にたいなんてバカなことを考えずに、前向きな気持ちを持って」

「そう思うのは今だけだよ、きっと乗り越えられるよ」

と慰めたり、励ましたりする人もあったかもしれませんが、

それらの声は、自殺願望の若者の心に届くものではありませんでした。

彼らには「生きろ」という言葉が

「もっと苦しみ続けろ」と言われているようにしか思えず、

心を閉ざしていったのでしょう。

 


そんな中にあって、彼らが共感した声が

「あなたの死にたい気持ちはよく分かる、僕も死にたい、一緒に死のう」

という白石容疑者の誘い文句でした。

自分の苦しみをただ一人分かってくれている声だ

と感じた人もあったでしょう。

 


今回の事件で思い出した話があります。

以前、がんにかかった男性の話です。

その男性が新薬による治療を受けるよう医師から勧められた際、

新薬治療は高価かと尋ねたところ、その医師が

「こんないい薬なのに、お金のことなど言っててどうするのか」

と答えたことに不信を持ち、医師に心を閉ざしたそうです。

 


命がかかっているのに、お金のことなんか問題ではないと

医師は思ったのでしょうが、男性からしたら、

高額治療は家族に経済的な負担を強いることになるのだし、

周りにそんな辛い思いをさせてまで、生きねばならないのか、

と思ったのでしょう。

その患者の気持ちに対して、あまりに医師は無神経だった

ということだと思います。

 


自殺したい人も同じで、「自殺するな」という声が

彼らには、先ほどの無神経な医者のように

「命は尊いのに、苦しいから死ぬなんて言っててどうするのか」

と聞こえてしまうのではないかと思うのです。

自殺したい本人は

「命は尊いと思えないほど生きるのが苦しい」のに、

「命は尊いから苦しみに我慢して生き続けろ」では、

「分かってくれない人たち」と思うだけでしょう。

 


「分かってくれない人たち」ばかりの中にあって、

「分かってくれた」白石容疑者の誘い文句に

自殺願望者が強烈に惹かれていったのは、分かる気がします。

だからこそ、そんな人たちの心を

自己の欲望を満たすことに利用していった容疑者に

強い不快感と憤りを禁じ得ません。

 

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