親鸞に学ぶ幸福論

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「だからあなたも生き抜いて」を仏教の視点で語る

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【人身受け難し(1)】


長引く平成不況に団塊の世代の自殺が相次ぎ、

自殺防止対策が論じられ始めた2000年に

「だからあなたも生き抜いて」という本が

260万部を超えるミリオンセラーとなりました。

 


著者は大平光代さん。

本の内容は、いじめ→自殺未遂→暴走族→暴力団

→組長との結婚と離婚→クラブのホステス

→司法試験合格→弁護士としての活躍、と

波乱の半生を描いた自伝です。

 


どんな苦しい状況でも乗り越えられるよ、だからあなたも生き抜いて、

という著者のメッセージは、多くの人の心を揺さぶりました。

「こんな辛い苦しみを乗り越えて成功をつかんでいる、自分の苦労などまだまだだな」

と励まされた人も多かったでしょうし、

自殺を思い詰めている家族や友人に読んでもらいたい

と思った人も多かったと思います。

 


しかし誤解を恐れず言いますが

「それはあなただったからできたこと、

私はあなたと同じようにはできません。

そんな私でも生き抜かなければならない理由はあるの?」

と思ってしまう人もあるはずです。

 


人生には次々と苦しみが押し寄せます。

それを乗り越えようと懸命に取り組み、

それで乗り越えることができる人もあります。

それはそれで立派なことですが、

中には才能や環境や病気や性格などの事情で、

苦しみを乗り越えられない人もあります。

そのあげく、もう生きるのが嫌になってしまったのが、

ネット上でも飛び交っている「死にたい」の声です。

 


どうにもならない苦しみを前に、あきらめとむなしさを深めている人に

「私は乗り越えた。だからあなたも生き抜いて」の声は

ときに余計追い詰めてしまうことにもなります。  

 


さらにいえば、です。

一つの苦しみを乗り越えても、人生にはまた次の苦しみがくるのです。

成功はできても、イコール幸福ではありません。

成功者と言われる人にも、容赦なく、苦しみはやってきます。

一つの苦しみを乗り越えたと思ったら、またすぐに次の苦しみ、

苦は色変わり、次から次へとやってくる、これはすべての人の実態です。

「生きる」とは不断の苦しみの戦いであり、しかもそれは死ぬまで続くのです。

 


ならばなぜ私たちは死ぬまで苦しみを乗り越え続けねばならないのでしょうか。

「どんなに苦しくても生きねばならない理由は何か」

「必ず死ぬのに、なぜ生きねばならないのか」

この根本の生きる目的を論ぜず、

「苦しみを乗り越え、頑張れ、頑張れ」と言い続けるのは、

ゴールのないランナーに「走れ、走れ」と連呼するのと同じになってしまいます。

 


「どんな人も本当の幸福になれる、だから生きる意味がある」

と目的を明示してこそ、

「だからあなたも生き抜いて」と心底から言えるのではないでしょうか。

 

 

 

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