親鸞に学ぶ幸福論

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三毒の煩悩とは、汚い心、恐ろしい心、醜い心

 

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【三毒の煩悩(1)】

 

仏教に「三毒の煩悩 」という言葉があります。

全部で108ある煩悩の中でも、

特に私たちを苦しませ悩ませる三つの大きなものが「三毒の煩悩」です。

その三つとは、【欲】【怒り】【愚痴】の三つです。

 


三毒の煩悩をそれぞれ形容詞で表すと、

【欲】は「汚い心」。

【怒り】は「恐ろしい心」。

【愚痴】は「醜い心」です。

 


まず【欲】が「汚い心」といわれるのは、なぜでしょうか。

【欲】とは、金がほしい、ほめられたい、好かれたい、という心です。

それを得るためには人はどうなってもいい、

自分さえ儲かればいい、自分さえ認められたらいい、という心です。

その欲の本性である、我利我利亡者、エゴ、自己中、が「汚い心」といわれる所以です。

 


自らの私利私欲のために、人を押しのけたり、だましたりする人は、

「あいつのやり口は汚い」「汚い人だ」と言われます。

また自分のもうけや評価でしか動かない人を「意地汚い奴」と言ったりもします。

けちで、がめつく、人にために使うお金を極度に出し惜しみする人を「金に汚い人」ともいいます。

【欲】は「汚い心」という表現がピタッときます。

 


次に【怒り】が「恐ろしい心」と言われるのは、

人間は腹が立つと、言ってはいけないことを言い、

やってはいけないことをしてしまうからです。

冷静な時は、こんなことを言ったら相手との関係が壊れる、

こんなことをしたら相手から嫌われる、と慎んでいますが、

腹が立つと自制心を失ってしまうと、

言ってはいけないことを言う、

やってはいけないことをする、

その結果、人生を台無しにしてしまうのです。

一瞬の怒りで、会社を首になる、家庭が崩壊する、といった事態が引き起こりますから、

実に恐ろしい心です

 


三番目の【愚痴】が「醜い心」だと言われるのはなぜでしょうか。

【愚痴】とは、うらみ、ねたみ、そねみ、憎しみの心です。

幸せそうな人を見るとおもしろくなく、ねたましくなってくる心です。

成功して意気揚々としている人を見て、苦々しく思う心です。

 


同期の友達が先に出世すると、どうでしょう。

友達なのですから、一緒に喜んであげればいいのに、素直に喜べない心が起きてきます。

「なんでこんな心が自分にはあるんだろう」と我ながら醜い心が嫌になります。

「よかったなあ、おめでとう」と口では言いながら、

心の中に渦巻いている醜い心が表情に現れて笑顔が固くなっていないだろうか、と気にしています。

自分でもねたみの醜さが分かるから、人には知られないよう、隠そう隠そうとするのです。

 


「どうしてもほしい」と自分の欲の心を口にしたり、

「腹が立って仕方ない」と怒りの心を訴えたりすることはあっても、

「あいつがねたましい」「嫉妬している」とは、そうそう口にしません。

そんな心は全くないように振る舞うのは、

私たちもこの心の醜さを自覚しているからでしょう。

 


また【愚痴】とは、人の不幸をクスクス笑う心でもあります。

人が失敗して狼狽している姿を見てひそかにおもしろがる心です。

不幸な人を見て「かわいそうに」と口では言いながら、

心では何か愉快な気持ちがこみあげてきます。

人の幸福をねたむ心も醜いですが、

人の不幸をおもしろがる心はもっと醜く感じます。

 


ある女性誌で「彼氏にすることは絶対ない男ランキング」の一つに

「他人の不幸をメシウマと感じる人」というのがありました。

メシウマとは「飯がうまい」の略で、人の不幸を楽しむ場合にいわれる言葉です。

「そんな人は単に人間的にありえない」とのコメントもついていました。

確かにどんなにイケメンでも、人の不幸をクスクス笑う人だと知れば、

百年の恋も冷めるというか、その人に嫌な感じを持ってしまうでしょう。

 


人の幸福をねたみ、人の不幸を喜ぶ【愚痴】は、まさに「醜い心」です。

 


四六時中、汚い欲と、恐ろしい怒りと、醜い愚痴で心の中は一杯で、

死ぬまでその心が変わらない私たち人間の実態を、親鸞聖人は

「欲も多く、怒り腹立ち、そねみねたむ心多く、ひまなくして

臨終の一念にいたるまで、とどまらず、消えず、絶えず」

と書かれています。 

 

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