親鸞に学ぶ幸福論

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「魂の成長」ってそれ、自惚れも甚だしくはないか?

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【悪業(1)】

 


スピリチュアルカウンセラー、ヒーラー、自己啓発系の人がよく口にすることに、

「夫や子供とのことで受ける苦しみは魂が受けている試練」

「この世に生まれてきたのは魂の修行のため」

「周りを許し、愛することが魂を磨き、より高いステージに行くことができる道」

というのがあります。

 


彼らが言うように、魂を磨いて向上していければ、

それはけっこうなことですが、

検証すべきは「周りを許し、愛し、よい行いを積んでいけるような自分なのか」ということです。

 


よく「地球市民」「地球に優しいエコ社会」などといわれますが、

地球にとって一番優しくない動物は何か、

地球に住む動物たちで投票すれば、圧倒多数で「人間」が選ばれるのは間違いないでしょう。

 


これは原子力の放射能や、排気ガスによる温暖化や、海のプラスチックのゴミだけではありません。

歴史を通じて、人類は地球とそこに住む動物たちにとって「暴君」でした。

最近になって考古学が、人類による連続殺害事件を暴き始めています。

 


人類が初めてオーストラリアに到着したのは4万5000年前ですが、

なんと人間はそこにいた大型動物の90%を

狩猟によりあっという間に絶滅させてしまいます。

これが人類が地球の生態系に重大な影響を与えた初めての事件でした。

 


その後、ずっと連続して事件は起こり、それは今日まで続いています。

およそ1万5000年前にアメリカを征服し、その過程で

アメリカに存在していた大型動物のうち約75%を絶滅させています。

アフリカ大陸やユーラシア大陸からも莫大の数の生物種が失われ、

大陸の沿岸にある無数の島々でも動物たちは絶滅していきました。

数々の国々に残る考古学的記録は同様の悲劇を私たちに伝えてくれています。

それは人間がまだ麦畑を植えたり、初めての文字を書いたりする前です。

その時すでに地球上に存在していた大型陸生動物の50%は、

人間の手によって絶滅させられました。

 


同じ人類同士でも、強き者が弱き者を虐げる歴史は繰り返されてきました。

19世紀の大英帝国は国家ぐるみで、

清(当時の中国)にアヘンという麻薬を売りさばき、

その売りさばき方も今のマフィアや暴力団なんかより、ずっと非人道的でした。

 


現代でも、飢餓が原因で死亡する人が1日に4~5万人あり、

そのうち、全体の7割以上が子供たちです。

日本では年間1800万トンを食料廃棄していますが、

これは世界一の食料廃棄率であり、途上国の5000万人分の年間食料に匹敵します。

無関心による罪といえましょう。

 


飢餓で家族を失う辛酸をなめた人たちは、

飽食の国に住む人が「家族や友人を許し、優しくすることで魂のステージが上がる」

などと言っているのを耳にしたら「笑わせるな」と思うでしょう。

 


生まれたと同時に家族が引き離され、

食用の家畜としてただ太らされ、殺されていく動物たちにとって、

「この世に生まれてきたのは魂を磨く修行のため」と言っている人の姿は

「ふざけるな」と怒りに目を真っ赤にする対象です。

 


私たちは自覚がないだけで、よくよく実態を見つめれば、

「許し、愛している」と自覚しているその行動以上に、

無自覚のうちにおびただしい残酷で冷酷な行動を重ねているのです。

 

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