親鸞に学ぶ幸福論

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名誉欲に引きずられて自己を見失うのが人間なのか

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【名誉欲(1)】


NHKの集金をしていた人から聞いた話しです。

昭和50年代のある団地でのことです。

テレビのアンテナが立っていたので、集金に行ってみると、テレビがない。

その家はアンテナの模型を屋根に取り付けていただけだったのです。

事情をきくと、

「隣近所は皆テレビを持っている。うちは買えない。恥ずかしいから擬装していた」

と打ち明けたと言います。

 

テレビが見ることができないのが辛いのではない。

買えないのが辛いのでもない。

あの家はテレビを買えないのか、と見下げられるのが辛いという心が偽装させたのです。

仏教では、人からよく見られたい、馬鹿にされたくないという欲を『名誉欲』といいますが、

いかに名誉欲が強いか、思い知らされる話しです。

 

今では時代が変わったので、テレビのアンテナを偽装することはなくても、

名誉欲 に振り回されている実態は、少しも変わっていません。

 

収入を多くするためにはどうすればいいか、の努力より、

収入が多いと人から思われるにはどうすればいいか、の努力ばかりしている人があります。

 

家族が仲が良くなるように神経を使うよりも、

家族が仲が良いと人に思わせることに神経を使っている人があります。

 

自分が実際にいい人間かどうかが問題なのに、

いい人間だと人から評価されるかどうかを気にしている人があります。

 

実際にリア充であるかどうかよりも、

リア充だと人から思われるよう、アピールに躍起になっている人もいます。

 

フランスのラ・ロシュフコーは、そんな名誉欲に引きずられている人間の実態をこう指摘しています。

「我々は、幸福になるためによりも、幸福だと人に思わせるために四苦八苦しているのである」

 

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