【貪欲(1)】
車についての、あるアンケート調査によると、
1970年代には「車にエアコンは不可欠だ」と言っていた人々は、わずか13%でした。
8人中7人は、「別にエアコンはなくてもいいよ、窓開ければ風は入ってくるし、車は移動できればいい」くらいに思っていたのです。
それが1990年代になると、「エアコンのない車なんかありえない」と答えた人は90%以上でした。
わずか20年の間にそれだけ大きな変化があったのです。
今や風鈴、打ち水、すだれ、縁側の夕涼みなど、涼をとる昔の人の工夫も死語になりつつあり、
現代人は、エアコンがないと夜も眠れず、エアコンが故障した職場では仕事にならず、と
エアコンのない生活は考えられなくなってしまいました。
一種のエアコン快適さ中毒とでもいえましょう。
覚醒剤での逮捕歴のある田代まさしが、覚醒剤中毒、覚醒剤依存症の恐ろしさについて
「覚醒剤があれば何でもできる気持ちになった。やがて覚醒剤がないと何もできないようになった」
と語っていましたが、覚醒剤とまではいかないにせよ、
現代の日本に住む私たちは、エアコンという強烈な快適さに慣れきってしまい、
エアコンがなければ何もできないようになり、
エアコンのない生活は不幸であり、みじめであるという価値観を持ってしまっています。
この調子で科学文明が快適さを追求するあまり、
「カーナビが設置されていないなんて、スマホ持っていないなんて、
自動乾燥機がないなんて、自動掃除機がないなんて・・・、なんて不幸なんだ!!」
と思わされてしまうことでしょう。
これでは人類はいつまで経っても幸福になれそうもありません。
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