【忍辱(3)】
ボルネオ島の人々が、オランウータンを捕らえる方法は奇抜です。
なみなみと満たした水ガメに、アリックという強烈な酒を数滴垂らし、
オランウータンの巣の下に置くと、
香りに引き寄せられ、オランウータンが飲みにくる。
その翌日から少しずつ、酒の量を増やしていくと、
いつしか彼らは酒の味を覚え、好むようになっていく。
やがては生のアリックをもガブ飲みするようになり、
酔っ払って、石を投げたり木を折ったり、
散々乱暴した揚げ句、ゴロリ高鼾で寝てしまう。
そこを難なく、捕らえるというのです。
人間もオランウータンを笑えません。
最近も芸能界でありましたが、酒で人生を棒に振る人は跡を絶ちません。
「酒は百薬の長」「酒は人間関係の潤滑油」
と言われるように、ほどほどの嗜みなら効用もありますが、
怖いのは、ほどほどで終わらない、ところにあります。
「飲み過ぎないよう自制してます」と言っても、
その自制心を緩ませてしまうのが酒です。
「一杯だけなら」が命取りになるのは、そのためです。
飲むと気が大きくなり、「もう一杯」「あと一杯」と杯を重ねてしまい、
飲んでいたつもりが、いつの間にかのまれてしまう。
そこに酒の怖さがあるのです。
酒だけではありません。
ギャンブル、不倫、借金、薬物・・・
「ちょっとだけ」「一回だけなら」と気が緩み、
結果、人生を台無しにする人がどれだけいることでしょう。
「しない」と決めたことはしない。
「やめる」と誓ったことはやめる。
この忍辱(忍耐)の積み重ねが、人生を好転させていくのです。
=========
仏教の教えを分かりやすく体系的に学べる
全20回の無料メール講座です。
おもしろそうだなと思われた方はこちらから登録できます。
登録解除もいつでも自由なので、一度お試しに覗いてみてください。