【空事・たわごと・真実あることなし(2)】
日本人は子供の頃から
「人様に迷惑をかけるようなことだけはするなよ」とか
「世間さまに笑われるような人間にはなるなよ」とか、言われて育ちます。
理不尽なことでも年長者から
「世間とはなぁ、そういうもんなんだ」
と言われると、その主張が通ってしまうものです。
日本人に特に強い、一種の「世間」信仰とでもいいましょうか。
イスラム教の国ならば、何かと「マーシャーアッラー(神の心のままに)」ですし、
キリスト教ならば「エホバの神に従いなさい」ですが、
そこへ行くと日本は「神様」でも「仏様」でもなく、
「世間さま」に恥ずかしくないように、と教え込まれます。
しかし考えてみると、「世間」というのは一体何なのでしょうね。
「世間さま」「世間さま」って、さっきからうるさいけど、
「世間さま」って、いったい誰なんだ、
「世間さま」とやらを、ちょっとここに連れてこい、といったら、
どうなるだろう。
たとえば先回のメルマガでお話しした「三国志」の
妻の肉を主君に提供するという猟奇殺人エピソードも、
『三国志』の時代の中国では「世間さま」から感心される美談でした。
http://kikuutan.hatenablog.com/entry/sanngokusi
日本の江戸時代の村落では、
夜中密かに忍び込む「夜這い」が公然たるもので、
忍び込まれる側の親も大目に見ましたが、
もちろん今日こんなことをしたら「世間」が黙っていません。
即刻訴えられて刑務所です。
一切の行動の規範のように語られる「世間さま」ですが、
それは結局、周りの大多数の人が間違いないと思っている意見のことであり、
それは、時代や場所によって、コロコロと変化します。
間違いないものではありません。
「万のこと・皆もって、空事・たわごと・真実(まこと)あることなし」と、
の「万のこと」の一つなのです。
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