【懺悔(1)】
仏教で「懺悔」は「ざんげ」とは読まず、「さんげ」と読みます。
自分のしてしまった罪や悪を深く受け止め、心から謝罪し、
もう二度としないのが「懺悔」です。
お釈迦さまは「悪いことをしたら懺悔をしなさい」と
「懺悔」の大切さを随所に勧められています。
お釈迦様が勧められる善い行いに、
一つとして簡単なものはないのは、
実行しようとしてよくわかることですが、
「懺悔」もそうです。
善いことだとわかっていても、
やれば幸せの花が咲く幸せの種だとわかっていても、
なかなかできることではありません。
そもそも自分の罪を認めることができませんし、
言い訳の心だらけですし、
たとえ自己の非を認めても、謝罪するまでには大変な勇気が要ります。
実行する人が少ないので、それができる人は光を放つのでしょう。
以下に問題があった時の謝罪が大事か、身につまされるデータがあるので、紹介いたします。
データ元はeサティスファイ・ドットコムの調査によるものです。
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ホテルの対応に不満を持った顧客の96%は、ホテル側に何も言わない。
一般にクレームが1件あると、
問題を抱えた顧客が他にも24人存在し、
そのうち6件は深刻な問題である。
さらに25人の不満を感じた顧客は、平均9人にその事実について話す。
特にその13%は、20人以上にも話をする。
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はじめてそのホテルに泊まった人は、
その地域に何か用事のある可能性のある人ですから
その次も泊まるリピーターになる可能性があります。
ところがこのデータによれば、
その客がそのホテルに不満を抱えた場合、
その人は二度と利用しないばかりか、
9人に不満を語るとのこと。
そうなればそれを耳にした9人も、
やはり同様にそのホテルに泊まらないでしょう。
もしホテルに顧客のクレームが10件あったとすれば、
2250人、そのホテルへのネガティブな情報を耳にし、
利用を控えることになるのです。
ホテルが苦情を受け、「しまった」と感じるよりも、
はるかに大きな数字がそこにはあるのですが、
ホテル側は、それに気付くことさえできないのです。
しかし一方でデータは、こうも示しています。
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苦情を訴えた顧客の54~70%は、
問題が解決されれば再びそのホテルに宿泊する。
特に問題が速やかに解決されたと顧客が感じるときには、
その数字は95%にまで上昇する。
クレームを訴え、問題が解決された顧客は、
平均5~8人の人にその事実を話す。
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いかにクレームに速やかに対処するのが大事か、
このデータは示しています。
クレーム処理は誰でも嫌な仕事ですが、
丁寧に謝罪し、速やかに問題解決すれば、
ますます信用され、
その顧客は他の顧客を連れてくるのですから、
クレームは大きなビジネスチャンスに変えることができるのです。
では「クレーム処理に関わっているヒマはない」と
サービスの改善を図らなければ、どうなるか。
これがもっとも恐ろしいのですが、データはこう示しています。
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問題を解決しようとして成果が得られなかった顧客は、
その悪い経験について8~16人の人に話をする。
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不満を持たせるのも恐ろしいことなら、
その不満を放置するのは
さらに恐ろしいことと知らされるデータです。
「また来たい」日本の温泉旅館ベスト20の、
推薦者の声の一つもこんなのがありました。
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何かトラブルがあったときに、
すぐに対処するために、まず仲居頭が、侘びにくる。
そのあとすぐに、その上司がまた詫びにくる。
何度頭を下げにきたかわからない。
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もしトラブルやミスがあれば、
すぐに対処しなければならない、という心が
この旅館では従業員に徹底しているのでしょう。
全国に温泉のある旅館はたくさんあって、
それぞれ必死に研究工夫して集客しているのですが、
案外こういうのはできていないことなのかもしれません。
“また来たい”温泉旅館ベスト20に選ばれるだけの理由があるのですね。
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