親鸞に学ぶ幸福論

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ハクスリー『すばらしい新世界』から仏教を語る

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【無常(1)】

 


仏教では「無常(死)」を深く見つめます。

なんで仏教では「死」をこうして語るんだろう、

「死」を意識したら憂鬱になるだけで、暗くなるだけ損でないか、

生きている今を楽しむことこそ大事なのに、

と思われる方も多いと思います。

 

私もこのメルマガ上でたびたび「死」について語りますが、

そうすると読者の方から

「それが実生活に何か意味があるんですか」

といった感想や質問が寄せられます。

 

死ぬことなど考えず、今を満喫するのが人間のあるべき姿なのでしょうか。

そんな問題に一石を投じた小説があります。

イギリスの作家、ハクスリーの『素晴らしい新世界』(1932年刊行)。

「死」の不安に煩わされることなく、今を楽しむことができる「理想」が支配する世界を描いた物語です。

 

その未来社会は、独裁者「フォードさま」の意思の元で統制され、

国民は試験管で製造され、「フォードさま」に従順であるよう設定されて生まれてくる。

国民はみな「今は誰もが幸せだ」と「こだまを返すように」言う。

生まれてからもずっとその言葉を毎晩150回づつ聴く睡眠教育を受けているからです。

 

それでも主人公ジョンは、「この社会はどこかおかしい」と感じ、

人が死んだのを見て憂鬱になり、

「なんで必ず死ぬのに生きるんだろう」

「なぜこの世に生まれてきたんだろう」

と悩むようになる。

 

ジョンの恋人は「そんな時はソーマを飲むように言われているでしょ」と言う。

ソーマとは不安などの暗い気分を吹き払って多幸感を与えてくれる薬で、

その社会では「なんで生きるんだろうとモヤモヤしたら、早めのソーマを」と、呼びかけられている。

ソーマを飲むと、半グラムで半日休暇を取ったような効果、

一グラムで週末を楽しんだような効果、

二グラムで豪華東洋の旅を満喫したような効果がある。

ソーマによって、人生に疑問を持つことなく、

今日も国民は「今は誰もが幸せだ」と吹っ切れるように明るい声で言い合い、

「フォードさま」に尽くし、やがて死んでいく、という人生を送る。

 

しかしジョンはソーマを飲むことを頑なに拒否し、

人生の意味に向き合うが、最後は自殺して終わる、という内容です。

 

80年以上前の小説ですが、

かえって現代の方がリアル感を増して迫ってくる内容です。

最も考えさせられるのは、やはり

「死ぬことを忘れて、今を楽しむのが人間のあるべき姿なのか」

という問題提起です。

 

お釈迦さまが「死」を重ねて説かれているのは、

決して今の「生」を暗くさせるためではありませんでした。

その逆です。

死を真面目に見つめることは、いたずらに暗く沈むことではなく、

今の生を日輪よりも明るくする第一歩、だからなのです。

これを「無常を観ずるは菩提心の一なり」と説かれています。

 

 

 

 

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