親鸞に学ぶ幸福論

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夫のことをなぜ「だんな」と呼ぶようになったのか

 

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【布施(1)】


夫のことを『旦那(だんな)』といいますが、

そもそもなぜ夫のことを「だんな」と呼ぶようになったのでしょうか。

 

奧さんは配偶者のことを、場所や相手に応じて

「夫」と言ったり、「主人」と言ったり、「○○」と名字で呼んだり、

「相方」といったり、「だんな」と言ったり、「亭主」と言ったり、

使い分けをしているかと思います。

 

それら数ある呼び方の中で、「だんな」というのは、

どちらかというと品のない言葉のように思っている人もありますが、

実はこの「だんな」、元来は仏教由来の言葉なのです。

そしてその本来の意味を知られたら、

「だんな」という言葉のイメージも変わられるのではないか、と思います。

 

「旦那(だんな)」「檀那(だんな)」とは、『布施』のことです。

『布施』と聞くと、僧侶に包むおカネだと思っている人がありますが、

本来『布施』とは、人に財物などを施したり、幸せを念じて教えを説くことを指し、

仏教で教えられる6つの善い行い(六度万行)(六波羅密)の一つに数えられます。

昔のインドの言葉では「ダーナ」といい、「与える」という意味です。

 

お釈迦様がインドで「ダーナをしなさい」(人に幸せを与えなさい)と勧められました。

その「ダーナ」を中国の人が漢訳したのが『布施』です。

夫のことを「旦那(だんな)」と呼ぶのが、

この「ダーナ」からきているのは、

夫は家族を支え、妻子を守る、いわゆる「与える人」だからです。

 

ちなみに寄付のことを英語で「ドネーション」といいますが、

これもこの「ダーナ」が由来です。

寄付は相手を支えようと、与える行為だからです。

臓器提供者のことを「ドナー」と呼ぶのも同じです。

自分の臓器を提供する、人に与える人だからです。

 

「旦那(だんな)」の意味がわかられると、

夫以外にも、「旦那(だんな)」と言われる人たちがあり、

なぜそう言われるか、納得されることと思います。

執事やメイドが「およびでございますか、だんなさま」と言うのも、

彼らにとって、給料を与え、生活を保証してくれる人だからであり、

魚屋さんなどが客のことを「だんな、安くしておきますぜ!」と呼ぶのも、

客からお金をもらっている立場から、そう言うのです。

 

結婚したら、男は「旦那(だんな)」と呼ばれるのですから、

その自覚を強く持たなければなりません。

妻子の生活を支え、その幸福を守り、

家族の苦しみをも代わりに背負っていく立場です。

「オレに気を遣え」「オレの気持ちをくみ取れ」「オレの苦しみを察してくれ」

と、妻子に要求するようでは、旦那ではありません。


先日、NHKの番組でリストラをされたサラリーマンを追ったドキュメント番組をやっていました。

妻子がいるのに、わずかな退職金で放り出された、その40代の男性は、

再就職先で、自分より一回りも二回りも若い者の指示を

「はい、はい」と聞いて、走り回っているのです。

どんなにこそ屈辱的な気持ちだろうな、

自分だったら耐えられるだろうか、

と、見ているこちらが痛々しく感じる映像でした。

 

若い人に混じって、あの年で動き回るのは大変だろうと思います。

腹も立つだろう、

投げ出したくもなるだろう、

しかし子供の学費もある、

家賃も払わなければならない

妻子を養わなければならない

と奥歯かみしめ、自己の心と戦って

「はい、はい」と駆けずり回っていました。

 

いつの時代でも、どこの世でも、こういうことは繰り返されてきたのだと思います。

妻子を苦しませてはならない

少しでも楽にさせてやりたい

と、与えることに全身全霊の父親の姿を

『旦那(だんな)』と言われるようになったのでしょうね。

 

 

 

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