親鸞に学ぶ幸福論

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おごるなよ 月の丸さも ただ一度

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【無常(1)】

 

「おごるなよ 月の丸さも ただ一度」

という歌があります。

順風満帆、すべてが思い通りに事が運び、

どこにも不足、欠点のない、理想的な状態を、

この歌では「まん丸の満月」に例えています。

 

平安時代、権勢を誇った藤原道長も、人生を満月に例えた歌を詠んでいます。

「この世をば わが世とぞ思ふ 望月(もちづき)の 欠けたることも なしと思へば」

「この世はオレのものだ。今夜の満月のように、オレの人生には少しも欠点がない」

娘三人が后の位につき、磐石の権力を手中にした道長が、祝宴で詠んだ歌です。

 

オレの人生に欠点はない、何の不足もない、と言い切っているのだから、すごい境地です。

こんなことを言えた時って、今までの人生で一度でもあったでしょうか。

たとえ、そんな時期があったよ、という人でも、

その状態は決して長くは続かなかった、のではないかと思います。

 

私自身のことを振り返っても、

当面の苦難の山を乗り越え、やれやれとほっとする時もあるにはありましたが、

それも一本の電話でたちまちひっくり返って、

たちまち不安に変じたものです。

一難去ってまた一難。

障壁をひとつクリアして安堵しても、

また次の障壁がしっかり待ち構えていました。

今だって人には言わないものの、

心に鉛を抱えているような心配事の一つや二つ、

抱えて生きています。

 

道長もそうでした。

「この世をば~」を詠んだ翌年に、重い病気にかかります。

糖尿病だったといわれていますが、

年々病は重くなり、やがて眼病にまで進行していきました。

もはやその時の道長の心は、満月とはほど遠い状態になっていました。

 

「おごるなよ 月の丸さも ただ一度」

欠け目のない満月は一月にただ一日だけのように、

どんな英雄豪傑も、

いかなる優秀な学者やアスリートも、

人気絶頂の芸能人も

例外ありません。

人間の栄耀栄華は続きません。

欠け目のない大満足、と言っている瞬間から、

もうすでに欠け始めていることを知っていなければなりません。

 

 

 

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