親鸞に学ぶ幸福論

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どんな人でも、自分の欠点は分からないと説く仏教

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【法鏡(1)】


私たちは(これはどんな人でも例外なくそうですが)、

人の欠点はよくわかっても、自分のこととなるとわからないものです。

自分のやっていることは、もう悪いことだとは思えません。

むしろ世のため、人のためになっている、と思い込んでしまっているものです。

 


もし自分が人にやってきたことが

「悪いことだった」と気付くときがあるとすれば、

それは自分が人から同じことをされて、嫌な思いをしたときです。

「こんな嫌なことを自分は人にしてきたのか」と

自分が人からされて嫌な思いをして、初めて気付くのです。

 


人から「それは悪いことだ」と注意されて気付けばいいのですが、

私たちはどうもそんな賢くないようで、

自分が痛い目に遭わなければ、

自己の言動が人を苦しませているのを気付かない、お粗末な存在です。

 


大量の添加物で数々の食品を開発してきた食品会社の敏腕社員が、

仕事を辞めたときのエピソードが心に残りました。

 


彼が奧さんと6歳になる娘さんと食事をしていたときのこと。

娘さんが好物だという、食卓のミートボールを口に入れたとたん、彼はぎょっとした。

それは自分が開発したミートボールの味だったのです。

「とにかくこれは食べちゃいかん」

あわてて皿を取り上げ、説明にはならない説明をしながら、

こんなものを我が子が食べていたことに、胸がつぶれる思いだったそうです。

 


その出来事が起きるまでは、そのミートボールは彼の誇りでした。

廃鶏(卵を産まなくなった安いニワトリ)のミンチ肉に

大豆たんぱくを加え歯ごたえを出し、

ビーフエキス化学調味料を大量投入して味をつけ、

ラードや加工でんぷんで歯触りを滑らかにし、

色を良くするための着色料、長持ちするための保存料、

色褪せを防ぐための酸化防止剤、これら添加物の大量投入で、

本来なら産業廃棄物となるべきくず肉が商品のミートボールに大変身。

発売を開始するやたちまち大ヒット商品、

笑いが止まらないほど売れ行きとなりました。

まずくて食べられない肉が、添加物を駆使すれば、

魔法のように子供の大好きな味に変身したのを

「美味しいだろう。この味は俺にしか出せない。他のメーカーじゃちょっと真似できない味だから」

「1円でも安いものを求める主婦にとっては救いの神だ」

と彼は得意満面だったのです。

 


ところがそのドロドロくず肉に添加物をじゃぶじゃぶ投入したミートボールを

わが子が大喜びで食べていたという現実に、彼の思いは一変します。

「今はっきり分かったことがある。このミートボールは自分の子供達には食べて欲しくないものだった」

彼はこの出来事を機に自分の仕事を悩むようになり、やがて辞表を出すのでした。

 


あの製造過程を見れば、まともな神経を持つ人間ならとても口にできない。

そう知っていながら、その事実に目をつぶり、

営業成績が伸びるのをゲームのように感じ、

自分の仕事が人のためになっているとさえ思っていた、という彼の告白は、

因果応報の悪い報いで痛い目に遭わないと、

自己の言動を反省できない私たちの実態をあらわしています。

 


上司を陰で罵っていた自己の言動を悔やむのは、

自分が上司になり、部下から陰で同じように罵られていることを知ったとき。

 


親をないがしろにし、邪魔者扱いしてきた過去の自己の言動を悔やむのは、

自分が我が子から足蹴にされる立場になったときです。

 


自分に悪報が来ないと気付かないのは哀しいことですが、

人間とはそういうものなのでしょう。

 

 

  

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