【無常(2)】
釈迦は、人生は旅に譬え、人間を旅人に譬えられています。
旅人と村人とは違います。
村人はその村で生を受け、その村で育ち、
その村で土地を耕し、生計を立て、
その村で所帯を持ち、その村で子供を育て、
その村で死ぬ。
村にずっと居続けるのが村人です。
旅人はそうではありません。
一カ所にとどまってはおれないのが旅人です。
「ここにずっと留まっていたい」と思っても、旅を続ける以上、
そこを離れ、次の場所に向かわねばなりません。
私達の人生もまた然り。
昨日の旅が終われば今日の旅、
今日の旅が終われば明日の旅と、
一カ所に留まることが許されない旅人です。
平成30年8月31日という日は二度と戻ってはきません。
今年の旅も、残り3分の1となりました。
未曾有の酷暑、いつまで続くと言っていても、
なんてこともない、運転中の視界に広がる富山の風景には
稲刈り後の田んぼがあちこちに見られ、
なんだ、ちゃんと秋が来てるでないか、と実感します。
あと一週間もすれば、稲刈りが全部終わるのではないでしょうか。
そうなれば青々としていた風景は、
寂しい黄土色に変わり、いつもの富山の秋、冬の風景です。
季節の巡りは堅実ですね。
平成最後の夏は終わり、秋が来て、また冬が来る。
来年は新しい元号、その後、東京オリンピック。
どれもこれも、瞬く間に過ぎ去っていくことでしょう。
しかも人生は、やり直しのきかない一方通行の旅です。
リセットボタンはありません。
そこがゲームとは違います。
たった一度しかない、かけがえのない日々を、
取り消すことのできない選択を繰り返して
私達は生きているのです。
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