親鸞に学ぶ幸福論

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親鸞聖人の肉食妻帯が当時いかに非常識だったか

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【肉食妻帯(2)】

 

親鸞聖人御在世の当時、

「賀茂川の水と賽の目と山法師は、意のままにならぬ」と、

時の最高権力者も嘆いたほどの大勢力を誇ったのが、

比叡山や興福寺などの聖道自力の仏教でした。

 


聖道自力の仏教とは、

煩悩と戦い、自分の力で悟りを得ようとする教えです。

比叡山を本山とする天台宗、高野山を本山とする真言宗、

興福寺を本山とする法相宗などがよく知られています。

 


これら聖道自力の仏教の寺院は、長らく女人禁制の地とされ、

固く女性の出入りを禁じていました。

僧侶の生活する場に女性が立ち入ることさえ禁じられていたのですから、

ましてや結婚など論外でした。

 


このような当時の時代背景がわからないと、

親鸞聖人の肉食妻帯の断行が、

なぜ聖道自力の仏教の者達の逆鱗に触れたのか、

よくわかられないかもしれません。

 


今日の天台宗や真言宗の僧侶はみな肉食妻帯していますし、

比叡山の根本中堂も男女の差別なく観光できますから、

今日の感覚では、親鸞聖人の肉食妻帯を非難する者の方が

おかしいように感じられるかも知れませんが、

当時は僧侶の肉食妻帯は、大変な非常識だったのです。

 


先述の通り、比叡山や興福寺は絶大な武力、権力、財力を有しています。

それら一大勢力が、「肉食妻帯の破戒僧だ」と一斉に親鸞聖人を目の敵にしたのですから、

公家や貴族、一般大衆をも巻き込んでの大変な騒ぎとなりました。

 


比較にもなりませんが、大相撲でも土俵上は女性禁止(女人禁制)という伝統があり、

最近でも大相撲巡業中に、くも膜下出血で倒れた人を救助するために土俵上に上がった女性に、

『女性の方は土俵から降りてください』と相撲協会が再三にわたってアナウンスしたことで

世間のひんしゅくを買いましたね。

男女同権の今日でさえ、伝統としきたりに固執する人の反応はかくのごとし。

まして親鸞聖人の当時、公然と肉食妻帯することがどれほど大問題だったか、

大相撲の一件でも、改めて聖人のご苦労がしのばれます。

 

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