親鸞に学ぶ幸福論

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新幹線殺傷事件の報道に思うこと

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【教行信証(1)】


新幹線殺傷事件で逮捕された小島一朗容疑者(22)は、

調べに対し「むしゃくしゃしていた。誰でもよかった」と供述しました。

「自分は価値のない人間だ。死にたい」と話しており、

自殺めいたメモも見つかっています。

これら一連の事件報道に「またか」といった感を受けたのは、

私だけではないと思います。

 


頻発する無差別殺傷事件はほぼ共通しています。

動機は「むしゃくしゃ」「むかついて」。

相手は「誰でもいい」。

そして一様に言うのは「死にたかった」です。

 


つい一ヶ月前に起きた名古屋市のネットカフェでの通り魔殺傷事件もそうでした。

犯人の動機は「自分が死ねないから、むかついて刺した」です。

つい先日、秋葉原無差別殺人事件から10年経ったと話題になりましたが、

あの犯人も「秋葉原で人を殺します」とのタイトルの犯行予告メールに、

「みんなさようなら」と書き込みました。

アメリカでは、毎月のように学校での銃乱射事件が起きますが、

その結末は犯人の自殺、もしくは死にきれずに投降、です。

 


これら相次ぐ人命軽視の事件に

「人の命をなんだと思っているんだ」

と多くの人が非難しますが、その言葉は犯人の心には届かないだろうなと思います。

犯人が人命の重さを受け止めていたら

「死にたい」「さっさと人生を終わらせたい」とはなりませんし、

「誰でもいいから刺してやろう」になるはずがないからです。

彼らは明らかに「人命の尊厳」を知りません。

そんな人に「人の命をなんだと思っているんだ」で反省するでしょうか。

 


どんな価値ある骨董品の茶碗を所持していても、

もし所持者がその価値を知らなかったら、

犬の餌の器にするかもしれませんし、割り捨ててしまうかもしれません。

そのずさんな扱いに「この茶碗をなんだと思っているんだ」と憤るなら、

その茶碗の所有者に骨董価値をよく分かるよう、説明しなければならないでしょう。

「そんな素晴らしい価値があるのですか、危なく捨ててしまうところでした」と

聞く相手が頭を下げて感謝されるところまで、です。

 


彼らにも同じことです。

命を大切に思えないから、がらくたを捨てるように

「死にたい」「殺したい」となっているのですから、

最も大事なのは、人命の尊い理由を、相手が分かるまで説くことです。

 


「彼らに人命の尊さを分からせることなどできるんだろうか」

という声もありそうですが、分からせることができるかどうかの大きなポイントは、

まずあなた自身、人命がなぜ尊厳なのか、はっきりしているか、ということです。

もし自分がよく分かっていなかったら、

死にたいほど人生に虚しさを深めている彼らに、

はっきり命の価値を伝えることができるはずがありません。

 


仏教では、自殺も、殺人も、虐待も、暴力も、

その問題の根っこにあるのは

「生きる意味が分からぬ深い闇へのいらだち」と説かれます。

その闇の心ある限り、「生まれてきてよかった」という感謝もなければ、

「生きてきてよかった」と感泣することもありません。

 


私たちは何のために生まれてきたのか。

何のために生きているのか。

何があっても死んではならない理由、真の人命の価値の理由はどこにあるのでしょうか。

この根本問題に明らかに答えた書が『教行信証 』です。

『教行信証』は親鸞聖人が生涯かけて書かれた本ですが、

まさにその内容は、人命の尊厳の理由を徹底して明らかにされたものです。

 


私が今回、22歳の若者が起こした新幹線殺傷事件を

このメルマガで取り上げねばと思い立ったのは、

事件を報じたニュースで、彼の部屋の本棚にある、彼が読んでいた本が数冊映し出され、

その中に、『 教行信証』の解説本があったからです。

 


『教行信証 』は鎌倉時代に書かれた古典で、仏教の専門書です。

およそ20代の若者が関心示すような本ではないはずです。

なぜ彼は『教行信証』を読もうと思ったのだろうか。

そこで私が想像したのは「なぜ自殺してはいけないのか」

「生きる意味は?」「命の重さとは?」という情報を

彼なりにインターネットで調べたのではないかということです。

もしそうなら、それは彼の、無自覚にせよ、SOSの行動だったはずです。

 


調べていく中で彼は、生きる意味をはっきり示した書として、

多くの人が語っているのが『教行信証』だと知ったのでしょう。

まさに『教行信証』は、全編を通して「人命の尊厳の理由」一つを明らかにした書だからです。

私自身『教行信証』に感動した一人として、そのことをブログに書いたことがあります。

人々を魅了し続ける『教行信証』。しかし内容の核心をほとんどの人は知らない |

もしかしたらこのような記事に触れて、彼は教行信証を読んでみようと興味がわいたのではないか、

ただその書かれている解釈が難しすぎて、最初だけ読んで分からずじまいだったのだろう、と思うのです。

 


だとしたら彼にとって痛恨事は、『教行信証』を一般の人にも分かるよう、

解説してくれる人生の師に遇えなかったこと、なのです。

 


このような人命軽視の事件が起きるたびに「少年法を重くした方がいい」という議論があり、

銃乱射にトランプなどは「銃乱射には銃だ」と教師のよる銃携帯を論議したりしていますが、

本当に大事なのは、そこではない。

人命の尊厳を明示した『教行信証』の内容を分かるように伝えることだ、と私は思います。

 

 

 

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