【菩薩(1)】
先日、仏教講座に来られた女性は、
中学生の時、京都・奈良の修学旅行で
寺院に安置されている仏像や菩薩像の説明を聞き、
仏や菩薩といっても さまざまな種類があるんだなあと関心を持つようになり、
どんな仏や菩薩があり、それぞれの特徴など調べるようになるうちに
仏教の教えそのものに関心を持たれるようになったそうです。
特に菩薩顔のストイックな、それでいて優しい感じに女性の理想を重ねるとのことだったので、
「菩薩」についてお話しました。
「菩薩」とは「菩提・薩た(ぼだいさった)」(「薩た」の「た」は「土偏に垂」と書く字)の略で、
「菩提」とは「仏のさとり」、「薩た」とは「求める人」、
よって「菩薩」とは、仏の悟りを目指して努力している人のことですよ、と説明していると、
興味深そうに聞かれ、
「ちょっと待ってください」と持参のノートを鞄から取り出されました。
なんとそのノートを開くと紙面に、観音菩薩、勢至菩薩、弥勒菩薩、地蔵菩薩、文殊菩薩、普賢菩薩など書かれてあり、
イラスト画像と英語読みまであり、「それぞれどういう方なのですか」「この仏語の意味は」と尋ねられます。
こういう方を「仏女(ぶつじょ)」(寺や仏像に関心ある女性の意味)というのでしょうね。
何はともあれ仏教に関心を持っていただく機縁になるのはありがたいことだと思い、
観音菩薩と勢至菩薩が阿弥陀仏の脇士であること、
弥勒菩薩のことをお釈迦様、親鸞聖人はどう説かれているか、など話をすると、
興味深そうに聞かれます。
さらに菩薩の説明から、菩薩の心、仏の心、阿弥陀仏の願いとは、と話が進むにつれ、
「あー、そっかー」「だからなのか」と
今までつながらなかった断片的な知識が次々と結びついていったようで、
喜んでおられました。
こういうとき、仏教がなじみのある日本に生を受けたことは有り難いことだなと感じます。
この方は修学旅行がきっかけでしたが、
お祖母ちゃんが御仏壇であげていた正信偈が耳に残っていて、
それで正信偈の御文を懐かしく感じ、意味が知りたいとなられる方もありますし、
寺の修理をする大工の方で
「なんで寺に獅子と象の彫刻があるのか、と思っていたんですが、そういうことだったんですね」
と感心され、もっと聞きたいとなられた方もありました。
何かを糸口に仏教の教えに触れていただくこととなれば、まことにうれしいことです。
PS.こちらから、仏、菩薩、お経などの基本的な仏語が学べます。
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