親鸞に学ぶ幸福論

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心と口・身体の関係は川の上流と下流

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【意業(3)】


前回、前々回と仏教は心を重視するという話を続けています。

今日はその3回目です。

 

「心で何を思っていようが、自制して口が体に表さなければいいじゃないか」

という意見もあります。

確かに心で考えていることは言葉や行動に移さなければ

誰にも知られることはありませんし、

迷惑もかけることもないのだから、

そんなに問題視しなくていいと思いがちです。

 

しかし問題は「思っていることを口にしなければ、行動に移さなければ」という条件が付き、

これがなかなかできないのです。

心で何を思っているか、その人の言動にどうしても現れてしまうのです。

「目は口ほどに物を言う」とのことわざもあるように、特に目はその人の心が表れます。

窓が開いていて他人の家の中の様子が見えてしまうことがありますが、

まさに「目は心の窓」で、目を見るとその人の心の中が見えてしまうことがあります。

今気分を害したな、とか、苦手だと思われてるな、とか、いろいろわかります。

心を隠そうとしても、目や表情や態度、あるいは言葉や行動にどうしても表れてしまうのです。

 

相も変わらず大臣が失言して辞職する事態が続いてますが、

ある大臣はとあるパーティーで自分の推薦議員を「復興以上に大事なのはこの人」と発言し、辞任に追い込まれました。

その議員を本当に可愛がっていて、そして自分のためにも大事な議員で、

その人は本音の部分で推薦議員の当選が「復興以上に大事」だったのでしょう。

それがついポロっと口から出てしまい、

世間から、大臣の資格なしのレッテルを貼られ、辞任です。

 

やっちゃいけない、言っちゃいけないと思っていても、

心の中で思っていることが口や身体に出てしまい

社会的信用を失ったり、刑務所に入っていく人がどんなに多いことか。

失恋した人、友だちを失った人、犯罪で捕まった人、会社をクビになった人、 今刑務所に入ってる人、

それらの人は心で思ったことがつい口や体に出てしまってそういう事態を招いてしまったのです。

思ってることを言わないよう、やらないよう注意していたのに、それが出てしまった、

それで刑務所で今後悔しているのです。

 

心と言動の関係は川の上流と下流みたいな関係です。

川の上流が「心」、川の下流が「言動」です。

川の上流に赤いインクを流せば川下は赤く染まり、

川の上流から青いインクを大量に流せば川下は青く染まるように、

心の中で何を思ってるかの違いが、その人の言動の違いを生みます。

もし下流の水をきれいにしたかったら、

下流だけを浄化してもだめです。

山に登って上流から汚いものを流している元を断たなければ、

もう下流の水がきれいになることはないのです。

 

同様に「この人苦手だな、嫌いだな」と心の中で思っていて

それをいかに口や態度に表さないようにと努めてもやっぱり出てしまいます。

その人と本当に打ち解けたいのならば

その人の良いところを発見し、まず自らが心を開かなければ、

その態度や口も変わることはありませんし、打ち解けることもできません。

 

 

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